「90分待ちになります」 ──入り口前にいるスタッフが申し訳なさそうに告げたとき、私は正直「やっちまったな」と思った。そりゃあ、スタバのパン専門店なのだから人気があるだろうとは思っていたが……え? 1時間半も待つの?

数秒の混乱の後、私は「適当なカフェに入ろう」という考えに落ち着いた。スタッフの方の説明によると、整理券をゲットしたらメール等で「そろそろ時間ですよ」的な連絡が来るシステムのようだから、店の前で待つ必要はない。どこかで時間を潰そう。そう思って私が周りを見渡したら……!


すぐ隣にスタバあるーーーー!



めっちゃ近い!


ってことは……


隣のスタバに……



パンがあるーーーーー!



ピザだってあるーーーー!


しかもピザ……



うまい!


スタバ関連のパンが欲しいなら……


ここで買ったらいいのに…‥!



なぜスタバのパン専門店に行列が……



なぜ自分の前に……


92組も待ってるのか……


意味がわからない!



──と思ったが、それだけスタバのパン専門店『プリンチ(Princi)』にみんなが期待しているってことだろう。まぁその気持ち、分からなくもない。『プリンチ』はイタリアで人気のベーカリーだというから。しかも、日本初の単独一号店だというから。さらに、看板には「ミラノの1日を、代官山で」なんて書かれているのだから。

オシャレ感のハンパなさを考えたら、「90分待ち」は当然かもしれない。というか、こんなことなら、もっと覚悟して来ればよかった。もしくは、もっと早く来るべきだった。15時頃に来るとか、スタバの人気を甘く見すぎやろ……。


・30分後にメールが

そんな後悔にさいなまれながら、スタバのパン専門店『プリンチ(Princi)』の隣のスタバで待っていたらメールが来た



そろそろ時間らしい……が! 整理券を受け取ってまだ30分ほどしか経っていない。「90分待ちかと思ったのに、思ったよりも早いな」と思いながら店を出たら……



結構な行列。どうやら、メールは「お店に入れる」という意味ではなく、「行列に並んでOK」的な意味だったらしい。つまり、これからが行列(苦行)のスタートだったのだ。


・約40分後

お店の扉が開くと、「あ〜パンのいい香り」という声が行列から漏れる。そういうことを言い合う相手が、私の前後に並んでいる人にはいるのだ。しかし私にはいない。辛い。パンの匂いも辛いけれど、状況的に辛い。

──という気持ちに耐えること約40分。ようやく、「お客様、どうぞ」と声をかけられた。やっとだ。本当にやっとだ。そう思いながら中に入る。


店内は思ったほど広くはなかった。まさにパン屋さんという感じ。広さ的には、隣のスタバの方が何倍も広い。座席数だってそれほど多くない。窓際のカウンター席がざっと15席くらい。

お店の中で食べる人もいるが、持ち帰る人だってめちゃくちゃ多い。むしろ私が見た範囲だと、座席は満員ではなく、持ち帰りの割合の方が多い。つまりどういうことかというと……“席の空き待ち” だけで行列が出来ていたわけではないってことだ。

「パンを選ぶ → 購入する → 持って帰る」という人が多すぎるがゆえの90分(実質70分)待ちだったのである。


飲食店で行列が出来ることはあるけれど、このようなパターンでの約70分待ちはなかなかレア。私自身、今まで経験はない。それをやってしまうのがスタバのすごいところなのかもしれないが……もはや人気っぷりに笑うしかない。

なお、約70分待って何とかパンをゲットできたのだが、その感想については近日中にお伝えしたい。今日はもう疲れました。マジで。さーせん。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 プリンチ 代官山T-SITE
住所 東京都渋谷区猿楽町16-15 代官山T-SITE N4棟
時間 08:00~22:00

参考リンク:Twitter @Starbucks_J
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼待ち時間が長かったのは開店初日だからだろう。今後は待ち時間が少なくなる……はずだ。

▼なお、『プリンチ 代官山T-SITE』からほど近い目黒の『スターバックス リザーブロースタリー東京』でもプリンチのパンを買える

▼お酒とかも楽しめるんだって!