ふわふわとした食感と優しい味わいで、老若男女から愛される蒸しパン。そんな蒸しパン界に期待の大型ルーキーが登場かもしれない。何のことかというと、山崎製パンの「熟成厚焼きたまご風蒸しぱん」「もちもちとした黒糖蒸しぱん」である。

いずれも今年に入ってから発売された商品で、Twitterをはじめとするネットの反応を見ると早くもファンが付きつつあるようだ。これは蒸しパン好きの筆者としては試してみねば。はたして蒸しパン界に新風は吹いたのだろうか?

・シンプルすぎる装い

先日、ローソンストア100の入口で気になるポップを発見。どうやらオススメ蒸しパンの紹介らしい。「リピーター率が驚異的に高い商品」「山崎パンがパッケージを捨て、味にこだわった逸品」とある。

またそんな大げさな……と思いながら入店したところ、ドカ積みされている蒸しパンの山を発見!!

しかも包装は、なんとラップでくるんであるだけ。およそコンビニに置いてある商品とは思えない、シンプルすぎる装いだ。確かにパッケージは捨てている。となれば、気になるのはやはり味だ。味に自信があるからこそ、この「ほぼすっぴん」といっていい姿で店頭に並んでいるのだろう。俄然、味への期待値が高まる。

・既存商品を超えるインパクトを残せるか

ということで今回レビューする商品は、「熟成厚焼きたまご風蒸しぱん(2019年1月発売)」「もちもちとした黒糖蒸しぱん(2019年4月発売)」の2種類。

価格はオープン価格となっているため、店舗によって微妙に異なる。今回はローソンストア100で購入したため、いずれも税込108円であった。全国の「デイリーヤマザキ」「ヤマザキショップ」のほか、ヤマザキ製品を取り扱っているスーパーやコンビニでも購入することができる。

期待値が高いだけに、ただ美味しいだけでは物足りない。どうせなら既存の蒸しパンを凌ぐインパクトを残してほしいところ。同メーカーから発売されているお馴染みの商品、「三角たまご蒸しぱん」「北海道チーズ蒸しケーキ」を比較対象として用意した。

・ベテランの壁は厚い?

既存商品の味を確認したあとで、さっそく「熟成厚焼きたまご風蒸しぱん」から食べてみることに。「三角たまご蒸しぱん」よりも厚みがあり、断面を見ても生地の目が細かい。天面には美味しそうな焼き目が付いており、見た目では「三角たまご蒸しぱん」を圧倒している。

一口食べてみると、卵の素朴な味わいが口の中に広がる。何個でも食べられそうな優しい味わい。すっぴんで人前に出るだけのことはある。

ただし、既存製品の「三角たまご蒸しぱん」と比較して抜群に美味しいかというと、正直そうはいえない。交互に食べ比べてみたが、生地のふわふわ感も甘さの具合も大差はない。以前からこの美味しさで提供されている「三角たまご蒸しぱん」が偉大なのか、はたまた新商品がインパクトを欠いているのか。そのあたりは表現に困るところだ。

続いて「もちもちとした黒糖蒸しぱん」を食べてみると、ほんのりとした黒糖味でこちらも美味しく、本場沖縄県産の黒糖を使用しているだけある。ただ、既存商品と比べて抜群に美味しいかといえば、やはりクエスチョンである。

・オーブン焼きで黒糖蒸しぱんが台頭!

では、オーブンで焼いてみたらどうだろうか。「蒸しパンにバターをはさんでオーブンで焼くと激ウマになる」ので、試してみることにしよう。

実際に焼いてみたところ、どの商品も美味しさがアップしたのだが、オーブン焼きで思わぬ開花をみせたのが「もちもちとした黒糖蒸しぱん」である。もちもちとした食感を損なうことなく表面がカリッとし、「黒糖+バター」という何とも罪深い味わいが絶妙だった。

「もちもちとした黒糖蒸しぱん」を買うことがあれば、このオーブン焼きはぜひ試していただきたい。なお、バターはケチらずたっぷり挟むことを推奨する。

Report:グレート室町
Photo:RocketNews24.