つい先日、生まれて初めて「ヤギの生き血」を飲む機会があった。どこぞのお店で飲んだのではなく、アフリカはケニアのアンボセリに行った際、マサイ族の戦士たちに、まるで酒でも勧められるがごとく「飲む?」と差し出されたのだ。

一体全体、どんな状況で「飲む?」になったのかを簡潔に説明すると……

「おーい、ゴー(羽鳥)が来たぞ〜!」

「待ってたんだぞ! オレたちハラペコ!」

「ゴーのためにヤギ1頭キープしてたんだぞ!」

「さあ調理すっぞ! シメまーす!」

「メェ〜」

「ちゃんと血を受け止めろよ〜!」

「飲む人〜!」「はーい!」「はーい!」

あ、ゴーも飲む?

──てな感じである。もちろん私の返事は

飲む!

であり、おそるおそる、グビッ……。しばし味わってから、ふたたびグビッ……と2口ほど飲んでみた。以下は、その感想である。


・温度

まず、一番最初に驚いたのが「ほんのりと温かい」ということだ。温かいというか、「生ぬるい」というか。つい数秒前まで生きていたのだから当然といえば当然だが、「血って、温かいんだな……」と初っ端からビックリした。


・粘度

次にビックリしたのは、やや「どろり」としているところ。決してサラサラはしていない。かといって中濃ソースほどドロドロしてはおらず、トマトジュースや甘酒くらいのドロドロ感だ。個人的には、やや苦手な粘度であった。


・表面

もうひとつ面食らったのは「泡立っている」こと。まるでシャワーのように吹き出る生き血を、お椀で受けたため泡立ってしまったのかもしれないが、マサイの戦士たちは「フーフー」と息を吹きかけ、泡を遠ざけてから飲んでいた。


・味

そして最も驚いたのは、「甘い」ということ。その甘さはマサイ族たちも「ベリースイート!」と連呼するほど。甘酒のような甘さではなく、そこはかとなくフルーティーな甘さ。人間の血のような「鉄の味」は一切しない。


・似ている味

で、どんな味がするのかというと、ずばり「マムシの生き血」にソックリなのだ。マムシの生き血もほんのり甘くて美味なのだが、あの味に激似だった。違うのは粘度と濃さ。ヤギの生き血のほうが、濃いかな〜といった印象だ。


・香り

気になるニオイは、しぼりたてなら ほぼ無臭。時間が経つと生臭くなるためか、マサイ族たちも「しぼりたての数分間が勝負」とばかりに、相当スピーディーに回し飲みしていた。てな感じで、ヤギの生き血は、鮮度が命。


・鮮度が命

撮影した動画でタイムを測ってみたところ、「血液採取」に約20秒、皆が飲み終える(もう誰も飲まなくなる)まで約1分半。あわせて約2分の早業だ。この場にいないと絶対に飲むことができない貴重な飲料、それがヤギの生き血なのだ。

ちなみに、シメたヤギはボイルして、マサイの村に住む老若男女全員で、昼ごはん&晩ごはんとして美味しくいただいた。血から内臓から皮から肉まで、残すところなくたいらげた。「命をいただく」とは、まさしくこういうことなのだ。ヤギさん、アッシュオレン、ごちそうさまでした!

Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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