唐揚げが食べてぇ猛烈に食べてぇ。今すぐ腹一杯に食べねぇと茶色い物全てに牙を剥いちまいそうだ。唐揚げジャンキーの私(西本)は、時折そうした狂おしい発作に襲われることがある。同じ唐揚げ好きの方々は共感してくれるのではないだろうか。

そんな同志たちと分かち合いたい特ダネがある。何と食べきるのに苦労するほどのデカ盛り唐揚げ丼を、ランチ限定800円で提供するお店が東京・九段下にあるという。オイオイ、ようやく見つけちまったよ約束の地。早速行ってみたのでご覧いただきたい。

・行ってみたはいいが、アレ……?

ご紹介するのは「こだわりや 千鳥ヶ淵店」。九段下駅を出て皇居のお堀沿いを進んだ靖国神社の対面という、とてもわかりやすい立地である。

お店の外観は完全に居酒屋だが、近づいてみると豊富なランチメニューの数々が掲示されている。

人気No1だという「唐揚げ定食(800円)」や「鯖塩焼き(780円)」といった変化球も気になるが、今回のお目当ては別だ。噂の唐揚げ丼は讃岐うどんとセットで800円らしい。しかもその斜め上に燦然と輝く「ごはん・味噌汁おかわり自由」の文字。血が騒ぐ高コスパじゃねぇか……!

思わず興奮を覚えていると、メニューの隣にある料理のサンプルが目に映った。むろん、そこには唐揚げ丼のセットも並んでいたわけだが、アレ……?

なんか……唐揚げのボリューム、そこまででもなくない……?

確かにお腹が膨れそうではある。しかしデカ盛りというほどではない。これは普通の唐揚げ弁当とかのボリュームでは……?

何だよ何だよ。こっちは体内の「唐揚げ受容体(レセプター)」をバリバリ全開にしてきたというのに。少なからずショックを覚えるが、ここまで来て引き返す選択肢もなかったので、ひとまず入店することに。

・唐揚げ丼お目見え

席に着いて唐揚げ丼セットを注文。しばらくすると厨房内からジュワジュワという唐揚げを揚げる音がして、何だかんだで少しずつワクワクしてきたものの、頭からはさっきのサンプルの映像が離れない。

「きっとボリュームは普通なんだよな……いやいや、美味しければ全然いいじゃんそれで!」と複雑な心境で待つこと十分程度。お目当ての唐揚げ丼が目の前に到着した。


いやデカいやないかい!!!!


メチャメチャデカいやないかい!!!!!!

讃岐うどんを引き連れてやってきたのは、デカ盛りの名に全く違わぬボリューム満点の唐揚げ丼だった。何だったんだよさっきのサンプル! あれが壮大なフリなのだとしたら、とんでもないエンターテイメント性だ。

そして目を見張るべきは唐揚げ丼だけではない。うどんの方も、透き通るツユと光沢のある麺が見るものを惹きつける。

まるで宝物庫にある財宝の山のような唐揚げ丼と、芸術的に美しい讃岐うどん。夢のような光景ではないか。画力(えぢから)とインパクトがハンパない。もし私が宮崎駿だったら、こういう料理をジブリ映画に出してた。

大ぶりの唐揚げに豪快にかぶりつくと、サクサクした衣の食感と甘辛いタレの香味が味覚を快く揺さぶる。すごい、食べれば食べるほどお腹の空く唐揚げだこれは。干上がっていたジャンキーの心身に、唐揚げのジューシーさがすみずみまで染み渡る。

たまに讃岐うどんに箸を伸ばすと、これがまたあっさりとした味で絶品。唐揚げに戻る箸をいっそう勢いづかせてくれる。唐揚げとうどんをセットで食べた経験はなかったが、これは唐揚げ史に残る名バッテリーかもしれない。

ご飯を覆い隠すほど巨大な唐揚げたちも、いつの間にか夢心地で食べ終わっていた。おかわり自由とはいうものの、その必要もあまりないほどのボリュームである。

しかし800円でこれなら十二分に元は取れているどころか、深々とお辞儀をしたいくらいだ。皆さんもぜひ、この唐揚げの宝物庫を訪れてみてはいかがだろうか。

・今回紹介した店舗の情報

店名 こだわりや 千鳥ヶ淵店
住所 東京都千代田区九段南2-2-8
営業時間 11:30~14:00 / 17:00~23:00
定休日 日曜日、祝日

Report:西本大紀
Photo:Rocketnews24.

▼度肝を抜くほどのデカさの唐揚げ

▼セットの讃岐うどんも絶品

▼お店を出て十数歩の距離から千鳥ヶ淵を臨める。春はお花見のついでに唐揚げなんていかがだろうか。

日本、〒102-0074 東京都千代田区九段南2丁目2−8