「シェェェェェー!!!」思わずそう叫びたくなる仕上がりだった。『えいがのおそ松さん』の話である。「おそ松くん」と「おそ松さん」をつなぐ話という前フリ通り、おそ松ブラザーズの高校時代を描いている。ってか、6つ子のキャラが……!! ナニコレ……!

もちろん相変わらずの赤塚ワールド健在で、笑いはもちろん、時には涙ありだ。『おそ松くん』でもない『おそ松さん』でもない、新しい『おそ松』が誕生した歴史的瞬間に、あなたも立ち会うべし!! 

・初期設定ブレまくり

改めて言うまでもないだろうが、『えいがのおそ松さん』はテレビアニメ『おそ松さん』の完全新作劇場版だ。つまり、アニメを観たことがない人でも大丈夫。むしろ映画から観始めたほうが、より一層『おそ松さん』を楽しめるかもしれない。

さて、今回の映画の魅力は何といっても “新しい6つ子に出会える” ところだ。おそ松くんでも、おそ松さんでもない、ニューおそ松ブラザーズがそこにいた。予告を観れば想像がつくと思うが、特に〇松と〇松な! 

これまでの『おそ松さん』を知っている人は、一瞬、戸惑うに違いない。思春期特有の突っ張った感じがウマく表現されていて、笑えばよいのか泣けばよいのか……。こんな6つ子を目にする日が来ようとは、赤塚不二夫さんに見せてあげたい限りである。

・赤塚不二夫さんありがとう

肝心のストーリーだが「6人の中に大きな後悔を残している人物がいる」ため、6つ子が高校時代の自分たちに会いに行くというもの。その後悔の内容やいきさつは作品を観ていただくとして、6つ子だけでなくお馴染みのメンバーが、さまざまな悩みや苦しみを乗り越える描写が良い。

思わずウルッとしてしまうではないか。いやはや、これほどまでに作品内のキャラクターの成長を、長年にわたり一緒に楽しめるアニメはほかにない。改めて『おそ松』を生み出した、赤塚不二夫さんに拍手を送りたい。そんな気持ちでいっぱいだ。

オープニングの曲がどことなく昭和っぽかったり、ダヨーンの扱いがひどすぎたり、おそ松くんとおそ松さんが混在する感じもタマラナイ。まあアレだ、この映画を一言でまとめると……「これでいいのだぁぁぁぁ~!」

Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.

▼来場者特典もあるぞ

▼こちらは映画の本予告