もうヤダよぉ……何もやる気が起きないし会社も行きたくないよぉ……2019年に入るなり、筆者(私)は憂鬱な日々を過ごしていた。個人的な話になって恐縮だが、リボ専用クレカの支払い残高100万円超えが発覚し、一気に大金が飛んでいったのだ。

まぁ、自分が知らないうちに溜めた負債ではあるが、気持ち的には地獄へと突き落とされたようなもの。もうここまで地獄に落ちたら、どこまで落ちても一緒だな……。そう落ち込んでいた私は、気がついたら10万円を握りしめて人生初の競艇(ボートレース)に向かっていた。……これを元手に100万円を取り返す!

・戸田ボートレース場へ

100万円を取り返す戦場に競艇を選んだのは他でもない。ビギナーズラック狙いである。これまでの人生、何かと初モノは勝ちまくってきた私。安易な考えかもだが、この世にビギナーズラックはあると信じている。場所は運勢のいい方角である北側……だからではなく、家から一番近いという理由で戸田ボートレース場を選んだ。

戸田公園駅から直通の無料バスに乗り、揺られること10分ほどで目的地の戸田ボートレース場に到着。ベテランらしきオッチャンたちや家族連れ、老若男女が来ている印象だ。春が近づいていることが分かる陽気と水場の匂い、初めてボートレース場に来たドキドキ感もあって気持ちが高ぶる。

・漫画の知識しかない

ちなみに私は、競艇のことを漫画『モンキーターン』でしか知らず。主人公・波多野のVモンキーがスゴい、榎木さんがクソ強い、あとは青島がカワイイくらいしか覚えていない。

それだけに、初心者が当てずっぽうで当てることができたら苦労しないよ……そう思う人もいるだろう。私もどう考えても不利な戦いだと思っていたので、策をいくつか練って勝負に挑んだ。

ズバリ、CMで起用されている渡辺直美さんのカラーをしたボートを買う戦法だ。渡辺さんの緑色(6号艇)は大外発走。不利な位置からスタートするので敬遠されがちだが、案外こういったやり方がビギナーズラックを引き寄せるものだったりする。たぶん。

また、聞くところによるとボートレースは「モーター」に良し悪しがあって、レース結果に影響するらしい。ボートレース場で無料配布されていたデータ表と照らし合わせながら6号艇のモーターに注目。単勝は買えないこともあるようなので、まずは6番と3番(以前、渡辺さんのカラーは赤)の2連複を1万円購入してみた。

一瞬で1万円が飛ぶことを考えたら手が震え始めたが、一度は死んだ身。あとは思い切ってやるしかない。投票時間が締め切られ、いざ発走……! 3−6……! 3−6来いっ……!!




完全にはずれたっ……!! おいおい、ウソだろ……。ものの数分で諭吉が溶けてしまった。いきなりデカい負債を抱えることになったため1000円を賭けておけば良かったと後悔したが、乗りかかった船ならトコトン乗るしかない。ここで、あらかじめ考えていた第2の策を発動した。そう、予想屋である。

・100円で予想を聞ける

競艇に詳しくない人は驚くかもしれないが、ボートレース場には堂々と予想屋(ボートレースアドバイザー)が数人いるのだ。場内の数カ所に番台のようなものが設置してあり、客は予想屋の予想に耳を傾ける。イメージとしては、マグロのセリと言えばいいだろうか。

そしてレース前になって、100円渡すと予想を書いた紙をくれる。もちろん当たる保証はどこにもないが、日常からボートや波、風などを考えて予想する彼らにすがるのは1つの手であり正解への近道。んで、私は心中覚悟で予想屋から聞いた「2と4の2連複」を1万円購入した。ここで渡辺直美さんの6が入っていないのは、まぁいいとしよう。


次こそお願いします……!



はずれたやんけ……でも、まだだっ……!


予想屋から聞いた「1と5の2連複」を1万追加!



次こそは……!




2 / 6なのに当たらねぇ……


・インコース(1番艇)が有利

ここまでマイナス3万円。マジで死にたくなってきたが、負けて勉強することもあった。周囲の話、そしてデータを見ていると競艇はとにかくインコース有利ということに気づいた。あと最初のコーナーで先頭付近をとれば、十中八九は勝利に結びつく。

しかし、オッズを考えたら一般客の裏をかかねば大きなプラスは得られない。そこで穴を得意とする予想屋を頼ることにし、初心を思い出して渡辺直美さんのカラーである「6」を頭で買うことにした。そしてこれが結果的に功を奏した

・3連単を完全的中

次に負けたら半分以上の手持ち金を失う第8レース。6号艇のモーターは悪くないので勝負どころだと決め、3連単で2万円ブッコミ。予想屋も「6」をプッシュしていたので予想を信じて「6 → 4 → 1」「6 → 1 → 4」の3連単を1万円ずつ買った。そしたら……!!



最初のコーナーで6キターッ!!


それから1号艇と6号艇のデッドヒート。3番手にはヒッソリと「4」。これ、6が1着に来たらマジで当たる! 頼む! そのまま! そのまま行ってくれっ……と願っている間もなくゴール。そして結果は……!


完 全 勝 利


えぇっと、100円が4460円だから4万か。


いや、桁がもう1つ違う!


えっ……


よんじゅう……


よんじゅうまん……



44万6000円!!!!


俺……もうすぐ死ぬのかな……

・倍プッシュ

どうやらビギナーズラックはあるらしい。もし1と6が逆だったら……と考えたら今でも震えるが、当たったものは当たった。頭の計算が追いつかずプルプル震えながら札束を受け取り、この時点でおよそプラス40万だ。

このまま帰るかァ……とも思ったが、もう今日の負けはないし、脳が溶けてしまっている私は止まらない。リボ地獄の100万円回収まで行ったれ! その後のレース、完全的中させた予想屋にひたすらブッコミ続け……

1口2万円の倍プッシュ。これがホントの「まくり」なんて冗舌になりつつ、1万円単位の3連単を流しまくって……


\(^o^)/全部はずれた\(^o^)/


・トータル収支は……

あとあと考えたら1レースに10万使ったりと完全にネジが飛んでいた。結果的にプラス21万6000円。大幅にプラスとなったが、完全勝利から大きく勝ち額を減らしていることにもゾッとした。スポーツとはいえ、やはり賭けごとは程々がいい。趣味の範囲内でやるのがベストだとも実感した。

今回の勝利は奇跡。神様の「元気出せよ」というメッセージとして受け取りたい。ともあれ、競艇はボートの迫力やエンジン音、お金以外でも面白いところがたくさんあった。ギスギスしているのかなというイメージとは真逆の場所。ボートレース場にはキッズコーナーやグルメも充実しているので、家族で行っても楽しめそうだった。次は普通に行こうっと!

参考リンク:ボートレース戸田
イラスト・Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.

▼天気がいいと相当気持ちいい!

▼VR体験コーナーやキッズコーナーも充実している

▼もちろんグルメも!

▼昼から飲むビールほどウマいものはない

▼食事もウマい!

▼渡辺直美さんは勝利の女神!

▼モンキーターンの榎木さん