2019年2月28日、世界で5店舗目、日本では初となる「スターバックス リザーブロースタリー東京」が中目黒にオープンした。行列覚悟でお店を訪ねると、入店待ち約1000人という驚愕の状況に遭遇。幸い、メールで入店の通知を受け取れると知った私(佐藤)は、フレッシュネスバーガーでコーヒーを飲んだ後に、漫画喫茶に避難した。

ここまで来たら、あとには退けない。スタバ好きを自負する身としては、せめて中の様子だけでも見てみたい。そう思い、3時間待って入店すると、そこは天国だった! あまりの興奮に気が付けば1万円も使ってしまっていたのである……

・3時間待ち

私が最初にお店にたどり着いたのは、同日の昼12時前だ。整理券を受け取ると、私の前に955組もいることがわかり、早々と退散しようかと一瞬思った。だが、フレッシュネスバーガーのコーヒーで目が覚めた! ここで退いてはいけない! そう自分に言い聞かせて、漫画喫茶で待つことにした。

その時、1時間経過していたが、まだ私の前には600組以上が待っている。


『北斗の拳』を読んでいれば、あっという間に時間が経つに違いない。主人公ケンシロウの兄、「トキ」の活躍を見れば、きっと元気が出るはずだ。


・500組待っているのに

読み始めると、心はすっかり中学時代の自分に戻っていた。そうなんだよ、本当は北斗4兄弟なのに、「ジャギ」の存在は忘れられがちだし、トキの偽者「アミバ」がいたこともみんな忘れがちなんだよなあ。ラオウはスター扱いだけど、改心するまではかなりひどいことをいっぱいやってんだけどなあ。そこへいくとトキはいい。何というか、カッコイイし基本的に無害だし……。

なんてことを考えていたら、さらに1時間が経過。ふとスマホを見ると、メールが来てる。


お! やった!! 店に入れるようになったらしい


1時間前に600組いたはずなんだけど、全部さばけたのか? そう思い、専用サイトにアクセスしてみると……


え? まだ500組以上いるのに行って大丈夫なの? わかんないけど、来いっていうから行ってみることにした。


・ここは天国!

再びお店に着くと、最初に訪ねた時とそれほど状況は変わっていないように見える。しかし入口でメールの内容と整理券を見せると問題なく入れた。中に入ったらなぜ500組も待っているのに入店できたのか、その理由がわかった。

お店の中はめちゃくちゃ広い! 地上4階、地下1階、全部スタバ。この日は雨だったがテラス席まで入れると、1000人くらいは収容できそうなほど広い。


混み合ってはいるものの、すし詰めで動けないということはなかった。


入るとすぐのところに巨大な焙煎機。


なにコレ! めっちゃデカい!! こんなにデカいの見たことないよッ!


そして、この店舗を象徴するコーヒー豆の貯蔵庫。建物のど真ん中にそびえ立っている!


FF7の魔晄炉かよッ!?


・スチームパンクの世界

お店の中を見渡すと、コーヒーショップというよりも工場を感じさせる。あえて表現するならスチームパンクだ! そこら中に豆を送る配管が張り巡らされていてカッコいい! その見た目だけで、3時間待ちの疲れが吹っ飛んだ!

1階は「スターバックスリザーブ」、2階はお茶専門の「ティーバナ」、3階はアルコールも提供する「アリビアーモバー」。そして4階はイベントスペースの「アムインスピレーション」。

3階に上がってみると、ここにも焙煎機がある。


焙煎が始まると、来場者はみんなスマホを構えて撮影会と化す。わかる! 記念に撮りたい気持ち、超わかる!! そういう私もちゃんと撮影してるもん! 撮らずにはいられない。


バーカウンターも画になるなあ~。できれば夜に利用してみたい。


・1200円のコーヒーの価値

ひと通り建物のなかを見て回ったところで、3階の席を確保できたので、メニューをチェックすることにした。


ここでしか飲むことのできないカクテルメニューも気になったが、お酒はまた改めて。初回なので、まずはここの1番の売り、「バレルエイジド コールドブリュー」を飲むことにした。価格は税別1200円、アイスコーヒーで1000円越えはなかなか。


このメニューは、ウイスキー樽にコーヒーの生豆を寝かせた後に焙煎したという。


実際に飲んでみると、ほのかにウイスキーを思わせる芳醇な香りがする。だが、アルコール臭いという訳ではなく、口に含むとチョコレートに近い柔らかい甘さがある。


1200円という価格にちょっと身構えてしまうが、実際に飲むと、それに値する上品な味わい。スタバの本気を感じる美味さだ。


・プリンチーナを食え!!

フードも侮れない。ここのフードメニューは日本初出店となるイタリアの本格ベーカリー「プリンチ」が手掛けている。提供しているメニューはすべてここで作っているのだとか。そのなかで、私はブリオッシュカスタード(税別360円)というクリームパンと、プリンチーナ(税別650円)というチョコレートのタルトを食べてみることにした。


先に言っておこう。プリンチーナが猛烈にウマい! ここに来ることがあったら、コーヒーを飲まなくてもコレを食え! そうまで言いたい。いまだかつてこれほどまでに美味しいチョコレートタルトを、私は食べたことがないかも。


濃厚でありながら後味がサッパリとしており、コーヒーと非常によく合う。バレルエイジド コールドブリューとの相性は完ぺきだ。スタバ界の「ケンシロウ」と「レイ」といっても過言ではない。ウマすぎて、思わず変顔になるのも致し方ないことだ。


ブリオッシュカスタードもまた、なかなかいい仕事をしている。しかし、プリンチーナに比べるとその味のインパクトはやや劣るか。北斗の拳で言うところの「アイン」くらい、イロモノ感がある。


当然コーヒーとの相性は悪くないのだが、少々甘さが強く、コーヒーの味の邪魔になるかも。


・追加で注文

温かいコーヒーも飲みたいと思い、注文したのが、コルタードトリオ(税別680円)、これはエスプレッソをホットミルクで割ったものだ。


エスプレッソの苦味とミルクの甘さ。カフェラテやカプチーノでは物足りないという人にオススメ。濃い味が好きな私は好みである。


せっかくなのでもう1つくらいスイーツを食べておこうと思い、ティロレーゼ(税別620円)というアーモンドのタルトを締めに頂いた。


強いて北斗の拳で例えるなら、「炎のシュレン」くらいサッパリとして、見た目を裏切らない正直な味だ。


・お土産も購入したら、驚きの結果に

存分とフードドリンクを堪能した後に、プリンチのパンを6品(合計税別3380円)購入して持ち帰ることにした。そしてここでしか販売していないグッズもチェック。


タンブラーかマグが欲しいと思ったが、ほかのモノに目移りしてしまった。なぜなら、ダルマやフリスビー、けん玉など、およそスターバックスらしからぬものが売ってる。


ほとんどの人がコーヒーに関するものを購入していくなかで、私は何を血迷ったのか、花札(花かるた税別3000円)を買ってしまった……。


なぜスタバに行って花札を買ったのか……。自分でも理解に苦しむ


日本でここだけ。世界でもわずか5店舗しかない。その魔法にかかって、気が付けば1万円も買い物をしてしまった。スタバで1万円も使う日が来るとは……。皆さんもテンションの上がり過ぎに気をつけてくれ。


・今回訪問した店舗の情報

店名 スターバックス リザーブ ロースタリー東京
住所 東京都目黒区青葉台2丁目19-23
営業時間 7:00~23:00

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼巨大な焙煎機、ずーっと見ていられる

日本、〒153-0042 東京都目黒区青葉台2丁目19