本日11月30日付けで、日本出版販売株式会社(日販)が2018年の年間ベストセラーを発表。『単行本フィクション』や『コミック』『新書ノンフィクション』などカテゴリー別にランキングを公開している。

冬休みや年末年始は家で読書という方もいるだろう。普段忙しくてチェックできていなかったナイスな本を知るいいチャンス。いくつかのカテゴリーでTOP5を紹介していくぞ!

・総合TOPはあの本

まず総合ランキングから見ていこう。日販によると「全集」「文庫」「コミック」は除いたランキングとなっているそうなので、その点だけ注意が必要だ。


1位:漫画 君たちはどう生きるか(吉野源三郎、羽賀翔一)
2位:大家さんと僕(矢部太郎)
3位:ざんねんないきもの事典(今泉忠明、下間文恵ほか)
4位:モデルが秘密にしたがる体幹リセットダイエット(佐久間健一)
5位:医者が教える食事術 最強の教科書(牧田善二)


ということで、総合TOPは『漫画 君たちはどう生きるか』だ。確かロケットニュース編集部でも、何名か読んでいる人がいた気がする。こちら単行本の方も9位にランクインしており、今年いかに話題だったかを物語る結果だ。Amazonでもベストセラーになっている。

個人的に気になるのは3位の『ざんねんないきもの事典』。シリーズの『続 ざんねんないきもの事典』も6位にランクインしている。実は筆者も生物は大好きで、よく深夜に図鑑片手に暗い部屋で「フフフ……」と無意味に微笑んだりしている。コレは本屋でチェックしようと思う。

・コミックのランキングはあのタイトルが独占

次はコミックのランキングを見てみよう。当サイトでもときおりキングダムやコナンの記事が公開されるが……気になる結果はこうだ!


1位:ONE PIECE(88)(尾田栄一郎)
2位:ONE PIECE(89)(尾田栄一郎)
3位:ONE PIECE(90)(尾田栄一郎)
4位:進撃の巨人(24)(諫山創)
5位:進撃の巨人(25)(諫山創)


『ONE PIECE』TSUEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!! というか、今年発売された全ての巻がランクインしているのではないだろうか? 気になって調べてみたら、87巻は去年の11月2日で最新の90巻は9月4日に発売されている。圧倒的とはこのことだろう。

5位以下だと、6位は『進撃の巨人』で、7位と9位に『HUNTER×HUNTER』、8位に『僕のヒーローアカデミア』で10位が『キングダム』となっている。トップを独占した2タイトルとも筆者は読んでいないのだが、これほどとなると気になってきた。

・新書フィクションにもあのタイトルが!

お次は新書フィクションだ。ちなみに新書とは、この場合「文庫本よりちょっと細長いヤツ」という認識でいいと思う。早速ランキングを見ていこう。


1位:天涯無限 アルスラーン戦記(16)(田中芳樹)
2位:ONE PIECE novel A(1)(尾田栄一郎、ひなたしょう)
3位:ONE PIECE novel A(2)(尾田栄一郎、浜崎達也)
4位:僕のヒーローアカデミア 雄英白書(3)(堀越耕平、誉司アンリ)
5位:天使たちの課外活動(6)(茅田砂胡)


1位は『アルスラーン戦記』シリーズ第2部の完結編ということだ。息の長い人気シリーズなだけあって納得の結果。そして目をひくのは2位と3位。そう『ONE PIECE』である。コミックでも新書でもランク入りという脅威のベストセラーっぷりには、ただただ驚くばかりである。

・単行本実用書のランキングで明らかになる人々の関心

どんどんいこう。次は単行本の実用書だ。このランキングからは、世の人々が何についての情報を求めているのかを知ることができると思う。結果を見てみよう。


1位:モデルが秘密にしたがる体幹リセットダイエット(佐久間健一)
2位:医者が教える食事術 最強の教科書(牧田善二)
3位:ゼロトレ(石村友見)
4位:1日1分見るだけで目がよくなる28のすごい写真(林田康隆)
5位:世界一やせるスクワット(坂詰真二)


みんなどんだけ痩せたいんじゃい! タイトル的にはそうと分からないかもしれないが、3位の『ゼロトレ』もダイエット関連である。つまりTOP5のうち4タイトルがダイエット。みんな悩んでいるのである。

唯一ダイエット以外のテーマでランクインした4位が、どんな写真なのか気になるところ。なお当サイトでは、世界レベルで目が良いことに定評のあるマサイ族の戦士が、過去に「なぜマサイ族は視力が良いのか?」という問いに対して見解を述べているぞ!

・単行本フィクションTOP5

お次は単行本フィクション。いわゆる単行本の小説だ。筆者個人の話にはなるが、漫画は数タイトルしか読んでいないし、実用書や啓蒙書の類は一切読まない。ゆえに単行本と文庫本のランキングが一番気になったりする。今年はどんな物語が話題だったのだろうか。


1位:かがみの孤城(辻村深月)
2位:おらおらでひとりいぐも(若竹千佐子)
3位:コーヒーが冷めないうちに(川口俊和)
4位:青くて痛くて脆い(住野よる)
5位:下町ロケット ゴースト(池井戸潤)


どれも本屋さんでポップが組まれたりしていて見た覚えのあるタイトルばかりだ。1位の『かがみの孤城』は「2018年本屋大賞」を受賞している話題作。内容情報を見てみると、不登校の10代が主人公のようで、感涙必至となっている。

スティーヴン・キングのファン故に四六時中悪魔やら殺人鬼が出てくる本ばかり読んでいるせいか、先日サンジュン記者に「猟奇的な感じ」というようなことを言われてしまった筆者。たまにはこういう小説を読んで浄化されるのもいいかもしれない

・文庫本トップはあの著者が独占

最後は文庫本ランキングだ。単行本は大きくて重いので、いずれ出る文庫を待つ方、そこそこいるのではないだろうか。筆者もわりとそのタイプ。どうだろう、出たら買おうと思っていたタイトルはあるだろうか? 


1位:ラプラスの魔女(東野圭吾)
2位:人魚の眠る家(東野圭吾)
3位:羊と鋼の森(宮下奈都)
4位:ユートピア(湊かなえ)
5位:君の膵臓をたべたい(住野よる)


文庫本トップは東野圭吾氏が独占。8位にも『祈りの幕が下りる時』がランクインしているので、10冊中3冊という快挙である。1位の『ラプラスの魔女』は単行本が2015年に出ている。文庫本派の東野ファンの方にとっては待望の文庫化だろう。今年5月に映画にもなっているし、納得だ。

ということで、いかがだっただろうか。日販のHPでは、紹介した以外にも「単行本のビジネス書」や「ゲーム攻略本」など様々なカテゴリーのランキングが掲載されている。下にリンクを掲載しておくので、気になる方はぜひチェックしてみてほしい。

参照元:2018年間ベストセラー
執筆:江川資具