2018年も残すところ2カ月を切った。肌寒くなってきて熱々のラーメンが恋しくなる季節が到来だ。そんななか、今回は珍しい素材を使った一杯をレポートしたい。

その一杯とは、「キンキ」の愛称で知られる幻の高級魚・キチジの出汁を使用したラーメンである。日本では北海道で多くが水揚げされ、赤い魚の中では最上級とも言われている「キンキ」。ラーメンにするとどんな味になるのかを確かめてきた。

・高級魚「キンキ」の出汁を使った話題の店

キンキの出汁を使ったラーメンが味わえるのは、北海道の札幌市清田区にある「魚ろ麺(ぎょろめん)」だ。2018年5月にオープンしてからまだ半年程度だが、素材の珍しさから話題となっているラーメン店である。

筆者は日曜の12時15分頃に店を訪れると、まだいくつか空席がみられた。その後すぐほぼ満席になったので、可能な限り早めの来店がベターだろう。ちなみに開店時間は11時。定休日は木曜だ。

・バラエティー豊富なメニュー

入店後、まずは券売機で食券を購入。定番の塩・醤油ラーメンには “淡麗” と ”濃厚” があるが、味噌は ”濃厚” のみ。その他、味玉や雲呑入りのラーメン、ご飯ものや餃子などが用意されておりメニューのバラエティーは豊富である。

店員さんによると「淡麗醤油ラーメン(税込780円)」がよく出ているとのことで、そちらを注文すると10分程度で熱々の一杯がテーブルに到着。パッと見たところ、2種類のチャーシューがのっている以外は、ごく普通のあっさり系醤油ラーメンといった雰囲気だ。

はじめにスープをいただいてみる。口に入れた瞬間はあっさり系の醤油ラーメンと思いきやゴクリと飲み込んだあとに……キンキの甘みと匂いがキターーーッ!

なるほど。オーソドックスな味わいに仕上げながらも、キンキの出汁が全体の旨味をグンと底上げしている印象だ。魚の風味を感じさせながらクセを排除した “いいとこ取り” のスープになっており、とにかく食が進む。

“ガツン” とくるような強いインパクトはないが、味わえば味わうほどキンキの旨味が味覚に沁み込むぞ……このクドくなく、“ジワる” 味わいが何とも魅力的だ

・上品で旨味のある一杯

麺は角張った細めのストレート。札幌定番の縮れ麺ではないが、おなじみの黄色い色は健在。ズズッといただけば、硬めの茹で加減で歯応えが心地良く、噛む度にスープと小麦の味が混ざり合ってウマい。

なお、チャーシューは鶏肉と豚肉が1枚ずつのっていて、鶏肉はしっとり柔らかく口に入れるとスモークの香りが一気に広がる。また、豚肉は繊維がギュッと詰まっていて、ハムのような味わいが印象的だった。

キンキの出汁を使った珍しいラーメンが味わえる「魚ろ麺」は、普通のラーメンとさりげなく違った上品で旨味のある一杯が堪能できる店だ。しかも、価格がさほど高くない点も嬉しいところ。次は、ぜひ “濃厚” バージョンも味わってみたい。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 魚ろ麺(ぎょろめん)
住所 北海道札幌市清田区美しが丘一条5-1-1
時間 平日ランチ11:00~15:00 / 平日ディナー17:00~22:00
休日 木曜

Report:K.ナガハシ
Photo:Rocketnews24.
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▼「淡麗醤油ラーメン(税込780円)」

▼「きんき飯(税込280円)」も上品な味わいでウマい