いまの子供たちが口にするかは知らないが、記者がまだ子供だった今から30年ほど前のこと──。バカ、アホ、マヌケ、とんちんかん、お前の母ちゃんでべそ……などと並び「百貫デブ」という定番悪口があった。

百貫デブ……。子供の頃は意味もわからずリズムだけで口にしていたが、果たして100貫とは何キログラムなのだろうか? 調べてみたところ、衝撃の事実が判明したのでご報告したい。

・意外と小さい可能性も

先述のように、当時「百貫デブ」は悪口の定番であった。だがしかし、おそらく99.99%の子供は100貫が何キロなのかわかっておらず、ただ単に “デブ” を誇張するために100貫を付けて使用していたハズだ。

貫が昔の重さの単位だということはわかる。そして「百貫デブ」という言葉自体もそれなりに歴史ある言葉なのだろう。ただ、昔の人は現代人と比べて体格的には小さかったハズ。キログラムに換算したら意外と軽かった……という可能性もあるのではなかろうか?

というわけで、調べてみたところ、日本が「キロ」や「メートル」などを使用し始めたのは1800年代末とのことである。それまではいわゆる「尺貫法」を利用しており、例えば一升ビンの “一升” はその名残だ(ちなみに1升は約1.8リットル)。

・重さの単位は「匁」など

重さは小さい方から「匁(もんめ)」「両」「斤」などが基準となっており、問題の「貫」はもっとも大きい単位であった。イメージ的には、匁がメガだとすれば両はギガ、斤はテラ、そして貫は “ペタ” といったところだろうか。

さて、問題の「100貫デブ」だが、まずは1貫が何キロなのかをお伝えしよう。最小単位の1匁が「3.75グラム」とされており、10匁が1両、そして100両が1貫となっている。


つまり……


1両が37.5グラム


1貫が3.75キログラム


ということは……


100貫は375キログラム\(^o^)/



うむ、よくテレビで放送されてる “世界レベルのデブ” である。時代は移り変わろうと、百貫デブは文句なしのデブだと判明した。全盛期の小錦の体重が284キロだと言えば、百貫(375キロ)がどれだけスゴイかおわかりいただけることだろう。

というわけで、結論としては「百貫は375キロ、文句なしのデブ」ということになった。ただ、百貫デブはあまりにも現実的ではないため、悪口としては的外れな言葉なのかもしれない。

参照元:大日本図書「尺貫法」
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.