ルノアールは喫茶店である。その認識で間違いない。何しろ「喫茶室」というくらいだから、コーヒー・紅茶がメインで、食事はトースト・サンドイッチ・ケーキと軽いものばかり。だが、それですべてのお店を語ることができないのが、ルノアールの面白いところである。

過去に大塚店には釜めしがあることをお伝えした。神田淡路町店には、中華丼がある! ガパオライスがある! 赤カレーがある! そして牛カルビ焼きのセットがあるッ!!

・ルノアールのボランタリーチェーン

このお店は、いわゆるボランタリーチェーンである。ルノアールの本体とは資本が異なっているため、独自の道を歩んでいると言っていいだろう。ちなみに大塚店や神田淡路町店のようなボランタリーチェーンは、都内に計6店舗ある


・青いハーブティー

看板だけは見慣れたものであるものの、中に入ると店の設えが違う、使用している什器が違う、メニューから何から目に入るほとんどが違うのだ。たとえば、私がオーダーしたハーブティーを例に挙げると……


天然色素を使った青いハーブティーらしいのだが、こんなの本家ルノアールで見たことも聞いたこともない。いや、ルノアール以外でも見るのは初めてのことだ。15時以降にオーダー可能なはちみつドリンクもなかなかのインパクト。


・ルノアールと牛カルビを結ぶもの

ドリンクもさることながら、食事も他のルノアールとは異なるラインナップ。中華丼やガパオライス、そして牛カルビ焼きセット(ドリンク付き1400円)なんてのがある! ルノアールと牛カルビを結びつける線がまったく見えない! 牛カルビ焼き、つまり「焼肉」である。焼肉と喫茶店の接点はどこにある?


いや、待てよ……


そもそも喫茶店とはそういうものだ。小さな街の喫茶店なら、定食があってもなんら不思議はない。「ルノアール」というブランドイメージが焼肉と距離があるだけで、本来何でもあるのが喫茶店なのだ。なるほど、ボランタリーチェーンの存在はルノアールであることよりも喫茶店であることを尊重しているらしい。それも含めてさすがルノアールである……。


・ルノアールで焼肉を

とにかく、ルノアールで焼肉を食えるまたとないチャンス! ということで、牛カルビ焼きのセットをライス少な目で注文した。そうして来たのを見ると……


肉にはタレがしっかりとかかっており、見るからに食欲をそそる。


味は見た目を裏切らない濃さだ。ルノアールのイメージを覆すようなパンチのある味。この甘辛い焼肉ダレだけで、ご飯がいけてしまう。


・そば、うどんがあったらしい

以前はうどんとそばも提供していたそうだ。それはぜひとも食べてみたかった。「ルノアールのうどん」、その言葉だけで十分なパワーワードである。これからも神田淡路町店は独自の道を歩んで行って欲しい。都内でも限られたボランタリーチェーンがさらに増えて、バラエティに富んだルノアールを展開してくれることを願う

・今回訪問した店舗の情報

店名 ルノアール 神田淡路町店
住所 東京都千代田区神田小川町1-1 山甚ビルB1F
営業時間 7:30~20:00 / 土曜10:00~19:00 / 祝日10:00~18:00
定休日 日曜日

Report:ルノアール評論家・佐藤英典
Photo:Rocketnews24