築地といえば、「日本の台所」である。全国はもとより、海外からも生鮮食料品が届き、ここを拠点にして全国へと届けられる。食品の中枢を担う場所として、80年以上機能してきた。高い品質と鮮度を象徴する言葉としても「築地」は用いられてきたのだが、それはすでに過去のこと。

2018年10月11日に豊洲市場が開場したことにより、築地市場そのものがなくなり、実際に市場跡には立ち入ることさえできなくなってしまっている。ということは、店名にアレを掲げているお店はどうなるのだろうか?

・築地場内は立ち入り禁止に

11日の午後2時頃に築地市場の様子を見に行くと、ほとんどの業者が引っ越しを完了しているらしく、敷地内の人影もまばら。


これから解体作業が進められるとのことで、すでに立ち入りは禁止されている。禁じられているだけでなく、警察に通報されるとのことだ。興味本位で柵を越えたりするのは絶対にやめよう。


・街に活気がないような……

場外の様子を見てみると、時間が遅かったせいもあるかもしれないが、普段よりも客足が少ないように感じる。


築地閉場直前は、どこもかしこも人だらけ。路地という路地に人があふれて、イモ洗い状態だった。それが、随分閑散としているように見える。


場内を行き交っていた関係者がゴッソリいなくなったのだから、活気が失われたように思えるのは当然かもしれない。


・お店の名前はどうする

軒を連ねる店舗の看板を見ていると、気になることがある。多くのお店が「築地」の名を冠しているのだ。地名であるがゆえに「築地○○」と称しているのはわかるが、今後困るだろうなあと思うのは……


「築地直送 ○○○○」


という名前だ。すでに市場は閉鎖されており、新市場のことを考慮すれば「豊洲直送」とするのが妥当なところ。築地の持つブランドイメージが強すぎるし、豊洲と言ったところで今のところ高層マンションくらいのイメージしか湧かない。「豊洲直送」というのは、まだ早い気もする。

場外が今後、「築地 = 食」のブランドをけん引していくことに期待するしかないだろう。


・いきなり対決?

ちなみに、10月13日は「築地秋まつり 2018」の開催が予定されている。その日は、豊洲市場の一般見学が始まる日だ……。いきなり “築地 VS 豊洲” のイベント合戦の様相を呈してしまっている。客を取り合うことなく、うまく共存して行けることを願おう。

参考リンク:築地場外市場
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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