突然だが、皆さんはラーメンと聞いて思い浮かぶのはどこだろう。塩の北海道、とんこつの福岡県、はたまた醤油の関東か。オーソドックスなところだとそのあたりではあるが、こう思う人もいるに違いない。秋田ブラックだと。

ブラックといえば富山ブラックが有名だが、秋田県にも「ブラック」があって昭和13年創業の老舗『末廣ラーメン本舗』まで存在する。1938年から今まで約80年も営業しているとはただ事ではないし、一度食べてみたいなぁ……と思ったら東京・高田馬場に分店があったので行ってみることにした。

・らしさのある外観

お店は高田馬場の早稲田口から西早稲田方面へ5〜10分くらい歩いたところにある。移り変わりの早いラーメン激戦区で人気を得るのは簡単ではないため、テクテク歩いている間も期待で胸が膨らむ。黄色い看板がデーンと目立つので、迷うことはほとんどないはずだ。

店舗のアチコチに「昭和13年屋台の味」と書かれていて、改めて歴史を感じる。また、外観も屋台っぽくなっているし、暖簾(のれん)にも “らしさ” があってもイイ感じ。なお、店内はL字のカウンターで、食券を券売機で購入して注文するシステムだった。

・クセがスゴい

午後3時とピークを避けて行ったが、まさかの満席だけに人気のほどがうかがえる。中華そばの並(700円)を注文して待つことしばし……いよいよ秋田ブラックとの対面である。お待たせしました〜と中華そばが目の前に置かれると……おほほっ!

ブラックというだけあって麺が見えない。醤油入れすぎと思ってしまうようなギルティさがプンプンしているが、真相は食べてみないことには分からない。まずはスープから飲んでみると、色通り非常に濃い。炙ったチャーシューといい、濃い上にクセがスゴい……だが、それがいい。

・ネギを加えると味が変化

ガツンッとくる味は、ボクシングの井上尚弥選手がパヤノ選手を1RでKOしたパンチのよう。なんというか、思いっきり入った感がスゴいのだ。ただ、末廣ラーメンはインパクトだけでなく、しっかりとウマくもある。このあたりが長い年月愛されている理由か。

そして、味を変化させることができるのも同店の大きなポイントだろう。卓上には山盛りのネギが用意されていて、加えることで濃さをカスタマイズできる。せっかくなのでネギを加えてみると……!

アラ不思議。シャキシャキのネギが濃厚な味をあっさりに変化させた。もちろん、麺とスープの絡みも絶妙。人気の理由に納得して店を出たのだが、濃い醤油ラーメンにネギをドバッと加えるスタイル……これから寒くなる時期、うってつけの一杯と言える。

あとで気づいたことだが、店内の貼り紙を見たところ黄身を乗せたヤキメシが人気らしい。中華そばとのセットなら1000円(ヤキメシは1 / 2)。どちらも食べるなら、お腹を空かせて行く方がいいだろう。

・東北地方を中心に展開

実際に食べてみて分かったのは、紡いできた歴史は伊達じゃない。昭和から平成、次の年号までもうすぐだが、これからもガッツリ濃厚な末廣ラーメンは変わらず人気を継続することだろう。ちなみに店舗は青森県や岩手県など、東北地方を中心に展開している。秋田ブラック、機会があればぜひ味わってみるべし。

・今回ご紹介した店の詳細データ

店名 末廣ラーメン本舗 高田馬場分店
住所 東京都新宿区高田馬場2−8−3東館1階
時間 11:00~27:00
定休日 月曜(カレンダーにより定休日の変更あり)

Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.

▼麺とスープの絡みも絶妙!

▼かなり黒い

日本、〒169-0075 東京都新宿区高田馬場2丁目8−3