「有名人と熱愛したい人!」「IT社長と結婚したい人!」などが書かれたバンドのメンバー募集が原宿駅に貼りだされ物議を醸している。

ネットでは「女をバカにしてる」「これはひどい」など開始前からブチギレる人が続出しているこのチラシ。売れないバンドマンである私(中澤)は、バンドをやったところでIT社長とは知り合えないと思うのだが、この文言は一体何なのか

・チラシの文言

バンド開始前から批判殺到となったこのメン募は、「AKB48」などのプロデューサーで知られる秋元康さんがワーナーミュージックと組んで仕掛けるというガールズバンドのものだ。書かれている文言は他にも以下のようなものがある。

「アイドルになりたい人!」
「お金が欲しい それでいい!」
「夢は弾いてかなえろ!」
「原宿に住みたい人!」
「100万フォロワー欲しい人!」
「日本中を旅したい人!」
「有名人に会いたい人!」
「美味しいものが食べたい人。」
「TVに出たい人!」
「武道館でライブがしたい人」
「雑誌○n○nに特集されたい人!」
「かわいくなりたい人!」
「動機はモテたい それでいい!」

──などなど。要は「動機は何でもいい」ということを伝えたかったものと思われるが、その中にある「有名人と熱愛したい人!」「IT社長と結婚したい人!」という言葉について、ネットでは以下のような声があがっている。

・女性蔑視との声

「なぜ、女性をバンドへ誘う文句が『有名人と恋愛したい人』『IT社長と結婚したい人』なのか。男性から評価や見初められることのみが女性の成功や夢だとでも思ってるのか。憤慨してる」
「これはひどい」
「批判されながらも込みのプロモーションだとしても、音楽好きを随分敵に回すやり口だなぁ、と」
「完全に女をバカにしてる。。」
「ハラスメントする人の考え方」
「金持ちのおじさま達の愛人募集ちらしっぽい」
「これはちょっと衝撃的すぎますね…」
「フェミニズムとかジェンダーとかその辺に比較的理解がない部類の男から見ても狂ってるとしか言いようがない」

──このチラシの「有名人と熱愛したい人!」「IT社長と結婚したい人!」など3つをピックアップしたツイートをキッカケに「女性蔑視」との声が大きくなっている。

・意味不明なので問い合わせてみたが……

そもそも、ガールズバンドをやっていたところでIT社長と特別知り合いやすいわけではない。この募集の文言は意味不明である

そこで、この文言について「どういう意図で書かれているのか」関係会社に問い合わせてみたが「確認します」とのことで2018年9月10日15時29分現在、回答はない。ただ、以下のような声も散見された。

・「秋元の勝ち」の声も

「有名人と熱愛したい人、IT社長と結婚したい人 これは一定の女性にニーズがある事は確かです 恋愛OKはとても進化して多くの女性に扉を開く」
「「他にもいろいろ」あるみたいなのでこういうのだけピックアップするのはどうなんですかねえ」
「バズったもの勝ち」
「この謳い文句に少なからず乗る人がいて成立するなら勝手にやらせとけばいいじゃん」

──と、物議を醸している状態だ。なお、本プロジェクトについては、ギター、ベース、ドラム、ヴォーカル、キーボードなど、それぞれのパートに複数のメンバーを在籍させ、そこから楽曲によって選抜メンバーを選出するもののようだ

楽器の練習過程、セッションの模様、選抜の過程は各種メディアを通じて可視化させ、ファンと共に個として、バンドとして完成していく、「サクセス・シンデレラ・バンドストーリー」が展開されるのだとか。このプロジェクトについて秋元康さんは以下のコメントを出している。

「(中略)新しい試みにすぐ飛び込んでくれるのは、いつだって女の子だ。可愛いとか、スタイルがいいとかだけじゃなく、個性溢れる女の子が集まって欲しい。楽器が弾けなくたって構わない。これから練習すればいいのだ。何か、熱くなることを求めている人を待っている。(以下省略)」

──どうやら、各楽器のメンバーは固定ではないようだ。バンドって何

・バンドって何?

そもそも、個人的な感想を言わせてもらえば、大人がオーディションで1人ずつ寄せ集めて作ったものをバンドとは思えない。こんなのは「バンド」という代名詞が欲しいだけの粘土細工である

開始前から炎上しているこのプロジェクト。はたしてシンデレラ・ストーリーは待っているのだろうか? そして、その用意されたシンデレラ・ストーリーは「バンド」と呼べるのか。

参照元:秋元康プロデュースガールズバンドプロジェクト
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼メン募の文言に批判が殺到