楽曲をより多くの人に広めるべく作られるPV(MV)。ドラマ仕立ての展開やライブ感溢れる作品があったりとその内容は様々だが、今回ご紹介するのはそのどちらでもない、数年前に「世界でいちばんダサいPV」としてネット上で注目を浴びた風変わりな動画だ。

1978年にリリースされたその曲のタイトルは『I Wanna Love You Tender』である。さて、いったいどれほどダサいのか? 見たことのない方はもちろん、心当たりのある方もぜひあらためて強烈なダサさをご確認あれ。

・インパクト抜群のダンサー達が登場

動画「Worst Music Video EVER」を再生するとまずはじめに映し出されるのは、キラキラ光るミラーボールだ。続いて、踊りながら登場するのは、胸に「D&A」の文字が入った白いVネックのニットを着て、真っ赤なフレアパンツをはいたインパクト抜群のダンサー達である。

なぜこの衣装なのか……と脳裏に ”?” がチラつくが、さらに背景をよく見ると動画の舞台が宇宙であるところもまた気になる。果たしてどんな展開が待っているのだろう? と思っていたら、突然、宇宙をバックに男性と女性のシンガーが現れて歌い出した

・説明のしようが無いくらい全てがダサい

さあ、歌が始まったところでいよいよ最大の見どころに突入だ。注目すべきは、強烈にダサい踊りである。ダンサー達の表情、独特な動き、そして謎のフォーメーション……もう説明のしようが無いくらい全てがダサすぎて、逆に笑いがこみ上げてきてたまらない。

そしてエンディングもこれまたダサさ全開。シンガー2人が普通の車に乗ってゆっくり宇宙の彼方へと消えていくだけなのである。オイッ、宇宙の意味がどこにあるんだよっ! とツッコミたくなる驚異的な統一性の無さも、またこのPVの特徴といえよう。

・フィンランドのデュオ「Armi&Danny」の曲

冒頭でもお伝えした通り、この動画はかつて「世界でいちばんダサいPV」としてネット上で大きな話題となったフィンランドのデュオ「Armi&Danny」が歌う『I Wanna Love You Tender』だ。曲そのものは「Armi&Danny」最高のヒット作である点がなんとも興味深い。

しかし、本人達も数十年もの時を経て、PVが “ダサい” ということでここまで話題になるとは思ってもみなかっただろう。芸術とはいつどんな形で注目されるかわからないものだ。

参照元:YouTubeMTV Internet Ilmalankatu 2
執筆:K.ナガハシ

▼Armi&Danny『I Wanna Love You Tender』のPVがこちら