吉野家・すき家と並ぶ俺たちの心の牛丼チェーン「松屋」。おそらく行ったことがない人の方が少数派だと思われるが、どうやら最近の松屋には変わった店舗が増えてきているらしい。先日たまたま入ったお店は、なんとセルフサービス方式だったのだ。

学校の食堂やフードコートではセルフサービスが当たり前だが、牛丼屋でセルフとは珍しいな。こうして「セルフ松屋」に初潜入した私(あひるねこ)だったが、これがなかなかに “近未来” を感じる体験だったのでお伝えしたい。

・松屋のセルフサービス店舗

数日前、とある用事で訪れた東京・新中野で昼食をとろうとウロウロしていたところ、ちょうど松屋の前を通りかかった。時間もないしここでいいか……と入ろうとした瞬間、見慣れぬ案内を発見。そこにはこう書いてあった。「セルフサービス松屋」と。

・入ってみた

セルフ松屋!? 何やそれ! 一瞬入るのをためらうが、何事も経験だ。勇気を出して自動ドアをくぐってみることに。すると! そこには!!


普通に食券機があった。ふぅ、ビビらせるんじゃねぇよ……。どうやらメニューは通常店舗と変わらないようだ。『プレミアム牛めし生野菜生玉子セット(大盛)』を注文したところ、値段も650円で通常店舗と変わらず。

余談だが、中には料金が「10円割引」となっているセルフ松屋もあるらしい。そのあたり、店舗によって差があるのだろうか?

・変わったシステム

とここで、食券機に見たことがない画面が表示されたぞ。なになに? 「呼び出し番号で お呼び致しますので お席でお待ち下さい」だって? 郵便局かよ。なんだか不思議な感じだが、言われた通り席について待つことにする。

牛丼屋というと U字型カウンターがあるのが馴染みの光景だが、セルフ松屋にはそれがない。カウンター席とテーブル席が普通にあって、その奥が厨房になっていた。料理の受け渡しもそこでするようだ。

・食券を買ったら……

さて、一般的なセルフの飲食店とセルフ松屋とでは、異なる点があることにあなたは気付いたかな? そう、セルフ松屋では、最初に食券をカウンターまで持っていく必要がないのだ。食券を買った時点で注文が中に伝わっているため、何もせずただ席に座っているだけでいいのである。

・順番を待つ

もちろん水もセルフのため、入店からここまでまったく誰とも関わっていない。本当に私の注文が通っているのか、ちょっと不安になってしまうな。そういえば、料理ができたらどうやって呼ばれるんだろう? ふと上を見上げた瞬間、私は思わず驚いた。あ、あれは……!


電光掲示板……!!

モニターには食券に書かれた呼出番号が表示されている。なるほど、私の牛丼は現在「調理中」というわけか。しばらく待つと、「〇〇番のお客様、カウンターへどうぞ」という案内音声が店内に流れた。郵便局かよ。

・受け取りに行く

食券を持って提供口に行き、そこでいよいよ料理と引き換えになる。ベルトコンベアで出てくるかと思いきや、厨房には普通に店員さんがいたぞ。よかった、人間がいた。牛丼セットはいつもの松屋そのもので、言うまでもなく味もいつもの松屋。大変おいしゅうございます。

後はササっと食事を済ませ、食器を返却口に下げて帰るだけだ。よくあるセルフサービスの食堂とほぼ一緒である。なのに私は、このセルフ松屋にちょっとした未来っぽさを感じてしまった。それはなぜだろう?

・近未来感

理由は簡単。先ほども書いたように、食券を出す過程が省略されたからだ。学食などを想像してみてほしい。おばちゃんに食券を渡したり、厨房内での「カレー入りま~す!」みたいなやりとりだったり。よくある光景だと思う。しかし、これがあるとないのでは、印象がだいぶ変わってくるのだ。

・合理化の流れ

セルフ松屋はそういった要素が希薄なせいか、全体的にとても機械的な感じがした。しかし、私はそれは全然ありだと思う。高級店じゃないんだから、削れる無駄はどんどん削って、どんどん合理化すればいい。味さえ落ちなければ、特に問題ないはず。

もちろん課題もあるだろう。実際、食券を買ってすぐカウンターに持っていき、「食券は後です」と言われている人が短時間で数名いた。年配客が多い場合、そういったケースはもっと増えるのではないか? 浸透するにはまだまだ時間がかかりそうである。

・今後に注目

だが、もしかすると近い将来、ほとんどの厨房作業を機械がこなすようになるかもしれない。ピークタイムもワンオペで余裕! なんて日が来るかもしれない。初めてのセルフ松屋で、そんなことを思ったのだった。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 松屋 新中野鍋屋横丁店
住所 東京都中野区本町4-30-22
時間 24時間営業

参考リンク:松屋
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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