海苔といえば、山本海苔店である。東京・日本橋に本社を構えるこのお店は、女優・山本陽子さんがイメージキャラクターを務めており、山本陽子さんは専属モデル契約年数世界最長としてギネス認定されているそうだ。
それはさておき、このお店にはさまざまな種類の海苔が販売されている。1000円程度のおつまみ海苔から中元・歳暮用の数千円レベルのものまで、実に豊富な品揃え。もっとも高いものはなんと1万2960円! あまりの衝撃に思わず血迷って買っちまった……。
・海苔食べてない
恥ずかしながら、私(佐藤)は高級海苔を食べたことがない。もう少し言えば、ここのところ海苔を食べた覚えがない。旅行などで宿泊した際に朝食で食べるくらいで、普段から食べる習慣がないのだ。そんな私がなぜか山本海苔店を訪ねた。
・上等な海苔!
実は以前、私は三越前あたりに通っていたことがある。商業施設の「コレド室町」(室町東三井ビルディング)が出来る前だから、かれこれ10年くらい前のことになるだろうか。もちろん山本海苔店の存在は知っていたが、1度も足を踏み入れたことはなかった。最近たまたま目の前を通りかかった時に、商品の価格に目が留まった。
へ~、いい海苔は値段が結構するもんなんだな~。詰合せが5400円、8640円。ご進物の品だろうけど、なかなか買うのに勇気がいる……。
さらによく見てみると、これらの上を行く商品発見! なんだって! 1万2960円!?
極吟味焼海苔税込1万2960円。私の知り得るなかで、最高級の海苔だ。お店の人に話を聞くと、この商品はここでしか販売していないという。う~ん……。海苔にそこまで興味ないしなあ。買うとしても1000円くらいでいいか。
そう思っていたはずが、気づけば「じゃあ、コレください!」と指さしていた。何をやっているんだ私は……。「海苔に関心がない」と先ほど自分のなかで再確認していたはずなのに、正気に戻ると山本海苔店の紙袋を持って店を後にしていた。
・幸せな匂いがする
買ってしまったから仕方がない。持ち帰って食べてみることにした。
箱を開けると、黒と金色のツートーンの上品な缶が入っている。缶の下には山本海苔店お馴染み、丸梅マークが。
さらに缶を開けると、中は密閉されている。
銀のフィルムを開けたところ、中には海苔がキレイに並んでいる。缶に鼻を近づけると、芳しい海苔の香り! この匂いを嗅いでいるだけで、何だか幸せな気持ちになるのは、日本人ならではの感情だろうか。どこか懐かしく、あたたかい気持ちになる。
1袋が5枚。1缶に48袋入っている。
・レンチンのホカホカご飯にのせる!
1袋開けて中身を取り出すと、幸せの香りはますます強くなった! この匂いは完全にアレだ。旅館の朝の匂いだ。幸せな気持ちの理由はきっと、旅先の旅館の朝を想起するからだ。
さて、これをコンビニで買ってきたレンチンご飯の上に乗せる。
今まさにレンチンしたばかりのホカホカのご飯の上に、1枚投入!!
そして、ご飯と共に口のなかに放り込む。すると、海苔の風味が鼻から抜けていくのがよくわかる。焼き海苔の香ばしいかおりが、心を落ち着けてくれるようだ。一口また一口と噛むごとに、海苔が緩やかにほどけて行き、角張ったような食感はひとつも感じられない。
コンビニのご飯を食べているはずなのに、高級料亭や高級寿司店で食事をしているような錯覚に陥るほどである。さすが1万円超えの海苔だ! 食事に喜びと感動をもたらしてくれる。素晴らしい、ブラボー! 今日ほど血迷ってよかったと思った日はない。
という訳で、今回の血迷いはなかなかアタリだったと思う。今後もアタリに出会えることを祈りつつ、血迷って行きたいと思う所存だ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 山本海苔店 本店
住所 東京都中央区日本橋室町1丁目6番3号
営業時間 9:30~18:00
定休日 なし(元旦を除く)
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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