今年、もっとも話題になった映画といえば、『カメラを止めるな!』である。低予算かつ無名俳優を使い、当初は限られた劇場でしか放映されていなかったのに、口コミで面白さが広まり、全国の劇場で放映されるに至った。

この作品について、週刊誌「フラッシュ」が2018年9月4日号で独占スクープを報じている。その内容について、制作側がホームページ上で反論しているのだ。

・フラッシュではパクったとの見出し

フラッシュは、「『カメラを止めるな!』は私の作品を無断でパクった」と見出しをつけて、舞台作品の著作権を侵害している疑いがあると伝えている。舞台作品『GHOST IN THE BOX!』を手掛けた和田亮一氏のインタビューに基づいた内容だ。

詳しくは、同誌を購入して確認して頂きたい。


・制作側の反論

さて、そもそも『カメラを止めるな!』は、監督・俳優養成スクール「ENBUゼミナール」のシネマプロジェクト作品として制作された経緯があり、反論はその「ENBUゼミナール」の名前で行われている。

それによると、舞台に着想を得て企画制作したことを明かしたうえで、8月3日の拡大上映からクレジットに「原案:劇団PEACE『GHOST IN THE BOX!』」という表記をする提案をしているという。そして映画制作に当たっては、脚本・編集ならびにストーリーそのものについては、まったくの別物であるとしている。


「当方としましては、本舞台関係者の方々と都度協議を行っており、クレジットを含めたその他の条件や今後の対応についても協議を進めようとしていたところでした。

それにもかかわらず、このような「著作権侵害」や「パクった」というようなセンセーショナルな見出しや、未だ確定していない本舞台関係者との協議過程の内容を含む記事が掲載されたことに強い憤りを感じます。」(「カメラを止めるな!」公式サイトより)


──と、怒りをあらわにしている。


・和田氏のTwitterを見ると

それにしても、フラッシュの記事を読むと和田氏が相当怒っているように感じられるのだが、自身のTwitterを見るとやや様子が違うような気も……。


怒りの告発とありますが、決して怒っているわけではありません。 こうなる前になんとかする方法もあったのでは無いかとも思っています。 だけど、僕が声を上げることで、同じようにもやもやしている人たちにも届けばいいと思っています。」(ワダリョウイチTwitterより)


──と、冷静にコメントをしており、誌面との温度差が激しいように感じられる。ENBUゼミナールと和田氏との間で一体何があったのかは不明だが、フラッシュの記事によって余計にややこしい状況に陥っているように見えるのは気のせいだろうか。

個人的な意見で恐縮だが、あの映画の面白さの元になった舞台であるなら、それはぜひとも見たいと思ってしまう。これを機に、再演という運びになってくれることを願うばかりだ。

参照元:週刊フラッシュ「カメラを止めるな!」公式サイト、Twitter @Rookey_rw
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼『カメラを止めるな!』の監督もこのようにツイートしている