「ご利用のApple ID (xxxxxx@xxx.xx) は先ほど、これまで使用されたことのないコンピュータまたはデバイス上で、App Storeから◯◯◯を購入するために使用されました。(中略)この購入に心当たりがない場合、または第三者がお客様のアカウントにアクセスしたと思われる場合は……」
——とのメールがAppleから届いたことに気づいた瞬間、私は「こんな面倒くさいことするヤツ誰やねん!」と部屋の中でわめき散らさずにはいられなかった。それから5分ほど、「俺のIDを乗っ取ったヤツ、許さん許さん許さん!」とブツブツ言っていたのだが……愚痴っていられるような状況でもなかったのである。なぜなら……
・急いでApple IDを何とかしないと!
「面倒くさいこと」が何かは言うまでもないかもしれないが、簡単に説明しておこう。早い話が私のApple IDが乗っ取られたようで、そのIDで勝手にアプリがダウンロードされたのだ。ってことは……!
そのアプリが有料だった場合、Apple IDに紐付いていた私のクレジットカードが超ピンチなわけで……ってことは! 放っておいたら私のお金がピンチなわけで……ってことは……!
クレジットカード会社なのかAppleなのかよく分からんけど そのへんに色々と連絡する必要があるわけで……ってことは! その連絡および確認を想像するだけで面倒くさいわけで……ってことは! クレジットカードを止めるとかなったらもっと面倒くさいわけで……いや! そもそも!!
もしそのアプリが有料な上に高額で、問い合わせても「返金はできません」的なことを言われたらシャレにならないわけで……ってことは! 早急に連絡しないとダメなわけで!!
そんなわけで、私はまずApple サポートに電話することにした。その結果……分かったことは以下の通りだ。
・被害状況
まず、やはりと言うべきか私のApple IDはハッキングされていた。さらにダウンロードされていたアプリは有料で、ダウンロードに必要な金額(120円)がApple 側に請求されていたことが判明。
しかし、スタッフの方がその分の返金手続きをしてくれたおかげで、お金はセーフ!! と、最悪の事態だけは免れたのだが……
当然ながらハッキングされたAppleID(アカウント)は今後無効となり、登録していたクレジットカードをiTunes Storeで使用することも不可。したがって、また新たなにクレジットカードやらと登録しなくてはいけないという、これまた面倒な事態になったのである。
ちなみに、Apple サポートに電話をした際、私がセキュリティ質問(秘密の質問)をすっかり忘れていたために、本人確認に手こずりまくったことを追記しておきたい。これは私が悪いのだが、本題に行く前に20分近くかかってしまうとは、完全に想定外であった……。
・乗っ取り犯の手がかりは?
それにしても、乗っ取り犯は一体なぜ120円のアプリをダウンロードしたのだろうか? 改めて、Apple からの警告メールを見てみることにした。すると……
どうやら犯行はベトナムで行われたらしい。そしてダウンロードされたアプリは……「Plague Inc. -伝染病株式会社-」!? 一体どんなアプリなのだろう? App Storeで検索してみたら……
あった!
——そこで続けてアプリの説明を読んだところ……私は思わずフリーズしてしまったのである。というのも、そこに書かれていたのが……
「全世界を感染させろ! あなたの作った病原体が『患者第一号』に感染した。死に至る伝染病を人類の抵抗に適応、進化させ人類の歴史に幕を閉じろ!」
……
……
……
いや、ブラックすぎるわ!
——以上、今回私のApple IDが乗っ取られた件で分かったことはこれくらいである。実際のところ、犯人の目的などよく分からないことは多い。ただ……ひとつだけ言えるのは、わざわざハッキングして上のような有料アプリをダウンロードしたことを考えれば、犯人は絶対に面倒くさいヤツだということ。それだけは間違いない。
参考リンク:Apple「セキュリティとApple ID」
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:Gmail,Plague Inc.(iOS)
▼Apple からのメール。電話で問い合わせた後にメールで質問をしたら届いたのだが、本文の「ご不安NA」を見て気持ちが一瞬で和んだ