残念なことだが、人は誰でも歳をとる。歳をとると、すぐに忘れる。人や店の名前を全然覚えられない。当編集部でもっとも物覚えの悪いYoshioが、「桃太郎のお供といえば、犬と猿と何?」という質問に答えられなかったのは、実はあまり笑えない話。ちなみに彼は「キジ」が出て来なかった。さすがにそこまでではないが、これに近い勢いで、私(佐藤)も名前を思い出せないことがある。

最近も肉を食いたいと思い、量り売りのステーキ店に向かったのだが、どうやら本当に行きたい店とは違うところに行ってしまったかもしれない。自分でもよくわからないのだが、なんか名前が違う気がするんだよな~。なんだっけ?

・「突然ステーキ」みたいな名前

東京・高円寺駅の南口界隈を歩いていたときのことだ。疲労がたまっているので、ここはひとつ肉食うべ! ということでステーキ店を探していた。そういえば、あの有名な量り売りのステーキ店があったよな~……。

なんだっけ? なんとかステーキ。あの~、“突然ステーキ” みたいな感じの名前だったけど、思い出せん! 歩きながら記憶をたどるが、最初の言葉が出てこない。“突撃ステーキ” ? いや、違う。“唐突ステーキ” ? 違うな~。でもそんな感じだ。漢字表記ではなかった気がするけど……。


ふと見ると、いきなりステーキのメニュー看板が目に入った。あ! コレは?


お! そうそう!! こんな感じのステーキを提供してくれるところだ。まさかいきなりステーキのメニューが目に入るとはね。運がいい。でも、まだ名前が出てこない。たしか “ナリ” って言葉が店名に入ってたとは思う。ナニナリだっけ? もうひとつのメニュー看板を見ると……



ワイルドステーキ! そうだ、ワイルドステーキが有名なところだった。ナニナリだっけな~……。く~、歳とるとこれだから困る。どうしても自力で思い出したいところだけど、腹が減って我慢ができないので、看板を見て店名を確認することにした。その答えは……



そうだ! カミナリステーキだ!!


ああ~、なんで思い出せなかったんだろう。「ナリ」まで出てんのに、「カミナリ」が出ないなんて、オジサン参った(爆笑)。

・300グラムのワイルドステーキ

という訳で肉食うぞ! 注文はもちろんワイルドステーキ。お昼から奮発して300グラム! 昼飯にいきなりステーキ300グラムなんて、自分でもびっくりしちゃう。そのくらい肉を欲してたから、今日は特別だしんよ♪

肉300グラムに、ライス・サラダセット。ライスはガーリックライスに変更。注文を済ませて卓上を見ると、ナイフ・フォークと調味料がズラリ。自分で味変するのも楽しみのひとつ。


鉄板が冷めたら温め直しもお願いできるという、とっても画期的な仕組みだ! 厨房はオープンキッチンで、肉カウンターで量り売りもしているぞ!


・いきなり食ってやる!

先に出されたしっかり冷えたサラダを食べて待っていると、キッチンタイマーの音が店内に響きわたり、肉が来たーーーッ!


アツアツの鉄板にドン! と乗った肉塊。ジューッ!! という心地よいサウンドがやたらと食欲をかき立てる。


卓上のポットに入ったステーキソースをドバっとかけると、食欲増長サウンドは大きくなった。視覚的にも実によろしい。食うぞ、食ってやるぞ! いきなりステーキを食ってやる!!


焼き加減はミディアムレア。そう、ミディアムではない。レアでもない。ベストな焼き加減はミディアムレアなのである。うっすらとピンクの肉色が残るくらいがいい。男も、壮年と老年の間、つまり「初老」がベストなのである。おわかり頂けるだろうか?


・秋はそこまで

どうやら私は相当腹が減っていたらしい。300グラムもの肉をペロリと平らげてしまった。この夏の暑さは異常だった。その疲れを癒すには肉、それもステーキだ。いきなりステーキに食らいつくくらいの気力は常に持っていたい。そう思いながら、カミナリステーキを後にした。とても充実した気持ちになった、盆明け平日の昼下がりであった。

もう秋がそこまで来ている……。

・今回訪問した店舗

店名 カミナリステーキ 高円寺南口駅前店
住所 東京都杉並区高円寺南4-45-9 白木屋大同ビル1F
営業時間 11:00~23:00
定休日 なし

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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