つい先日、社内で「パンツの日」についてミーティングしていたら、いつのまにか「Tバック」が話題になっていた。あーだこーだー話し合いは続き、ふいに私が「オレはよくはくけど」と言った瞬間、みな「ええーーっ!?」となったのだが、逆にこっちが「えーーっ!?」である。

聞けば、どうやらはいたことがないし、当然、持っていないらしい。Tバックは女性のものだと決めつけているフシもある。まったくもって理解しがたい。あまりにも世界が狭すぎて気の毒にさえ思えてくる。なぜ野郎どもはTバックをはこうとしないのか。特に夏の今、猛暑の今年こそTバックをはくべきだと私は思う。

この原稿を書いている今この瞬間も、私はTバックをはいている。いいや、むしろ、Tバックをはいて書かなければ「裏切り」だとも思うので、さきほどスルスルっとはき替えた。ちなみに色は灰色で、水玉模様の可愛らしいTバックだ。

「Tバックの良さは?」と聞かれて、まっさきに答えるのは「涼しさ」かもしれない。いいや、「開放感」かも。とにかくツーケー(ケツ)がプリンプリン物語で、ダイレクトにパンツ(ズボン)の感触を味わうことができる。これがまず最高。

言ってみれば、ツーケーの部分はノーパンなのだ。ツーケー部分の布がないだけで、ここまで「はいてない感」と「夏感」を味わえるとは、なんともオトクなパンツである。無論、バック(尻)だけが良いわけではない。フロント部分も最高だ。

いわば、包み込む。それも単なる包み込みではなく、「おにぎり」とでも言おうか。まるで「握り職人」の手のひらが、グワシと股間部分を握ってくれている感覚とでも言おうか。固定感はバッチリンコで、ポジションのズーレーも皆無である。

しかし何よりも最高なのが、しれっとTバックをはいて出社するときだ。普段どおりに振る舞い、普段どおりに仕事をしているのだが、実は私はTバッカー。ものすごい攻めた下着をはいているのに、みなはそれに気づいてない……。至福の瞬間だ。

難点を言えば、一度脱いだら、ふたたびはく時が少し手こずること。握り職人の手のひらの中に、ちょうどよく「具」を収納するのがチト面倒かもしれない。しかし、慣れてきたらクイッ、モリッ、スッスッ……くらいで全収納できることだろう。

そんな最高すぎるTバックを、もっと世の男性にはいてもらいたいのには理由がある。銭湯やジムに行った時、Tバックだと恥ずかしいのだ。おそらくみんな「ぎょっ」とする。なので、人様にパンツを見られる可能性がある時にははいていない。

思えばAppleのワイヤレスイヤホン「AirPods」も、登場してからしばらくは「うどん」などと揶揄されていたし、はたから見ていても「なんか変(笑)」と思っていた。しかし今ではどうだろう。わりとユーザーも増えてきて世間に浸透、街中で見かけても珍しくもなんとも無く、「うどん」だなんて思わなくなった。

のぞむべくは、男性のTバックもそうなってほしい。もっと世の男性に浸透し、最低でも一人一着はTバックを持っているような時代が来たら良いなと思う。銭湯に行ったらほぼ全員Tバックのツーケーだらけ。そんな世界に、なってほしい。

執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

▼私の愛用するTバックは「G-STATION」のものだ