開幕まで残すところあとわずかとなったロシアW杯。日本代表の戦いはもちろん、強豪国同士の直接対決もあるので、時間がいくらあっても足りない1カ月が始まろうとしている。

さて、W杯本番を迎えるにあたり知っておきたいのが「ジンクス」だ。1930年から今大会まで約90年の歴史で破られていない “意外なもの” まで存在するが、もしジンクス通りになれば、あの強豪国は優勝できない……!?

・バロンドールの呪い

W杯の有名なジンクスといえば、バロンドールの呪いだろう。バロンドールとは「年間世界最優秀選手」に贈られる賞なのだが、実を言うとW杯前年に受賞した選手を擁する国は本大会で勝てていない

これまでにもクリスティアーノ・ロナウドにメッシ、ロナウジーニョや元祖ロナウドなど、超一流プレイヤーが呪いから逃れられず。ちなみに昨年はクリスティアーノ・ロナウドが受賞している。よって、ポルトガルは優勝できない!?

・コンフェデ杯王者はW杯で優勝できない

続いてはコンフェデレーションズカップにまつわるジンクスだ。各大陸の王者が集い、W杯前年に行なわれる同大会で優勝すると、W杯本番で優勝できない。なお、2014年に自国開催で優勝大本命だったブラジルもこのジンクスに飲み込まれている。

昨年を最後に廃止となった同大会。優勝したのは若手メンバーのチームながら圧倒的な強さを見せたドイツだった。羨ましすぎるくらい豪華なメンバーでW杯本番に臨むが、ジンクスがひとつの不安な材料となるか。

・監督が自国籍

そして意外なのが、監督の国籍によって優勝国が左右されること。これまですべての大会で自国籍の監督が優勝しており、ブラジルW杯でもレーブ監督率いるドイツが優勝。長い歴史の中でいまだに国籍のジンクスは破られていない。

今大会は開催国のロシアを含め全20カ国が自国籍。ウルグアイ、ポルトガル、スペイン、フランス、アルゼンチン、アイスランド、クロアチア、ブラジル、スイス、コスタリカ、セルビア、ドイツ、スウェーデン、韓国、チュニジア、イングランド、ポーランド、セネガル、そして日本がそうだ。

・可能性はゼロじゃない

今のところ、EUROを制したポルトガルと前大会の王者・ドイツを除いた18カ国が優勝候補と言っていいだろう。とはいえ、結果はフタを開けてみないと分からない。まだまだ強豪国が残っているため強烈な追い風とはならないが、日本も優勝の条件を満たしているので期待したい。

これまでいろんなジンクスがあったが、少しずつその数は減っている。日本がアジア最終予選で「突破確率0%」をくつがえしてみせたように、ジンクスは破られるためにあるとの見方もできる。ジンクス通りにいくのか、それとも新たな歴史を作る国が出てくるのか。国と国の意地がぶつかり合うアツい戦いに注目だ!

執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.