5月も後半、皆さんはもう半袖に着替えた頃だろうか? そんな暑い季節ともなれば辛いものが食べたくなるもの。やはりその関係なのか、店頭には辛い系カップ麺がズラリ! どれも美味しそう!!

そのなかで、2018年、最も推されているのがズバリ「汁なし担々麺」であろう。「麻(マー:痺れる辛さ)」と「辣(ラー:唐辛子の辛さ」がダイレクトに麺に絡み、まことウマイ。そんな汁なし担々麺は春先に各社から怒涛の勢いで登場! 最強はどこなのか……4種を食べ比べてみた!

ということで、今回食べ比べてみたのは『ラ王 汁なし担々麺』『四川担担麺 阿吽 つゆ無し担担麺』『どん兵衛焼うどん 担担花椒仕立て』、そして以前の記事でも紹介した『中華三昧プレミアム汁なし担々麺』の4種類だ。

いずれも2018年春の新商品。そしてコンビニで激推しされていたものばかりである。正直、どれも美味であったが、いかに「本場の麻辣(マーラー)」を感じたかどうかでジャッジしてみた。その結果は……以下の通りだ!

1位:ラ王 ビリビリ辛うま 汁なし担々麺(日清 3月5日発売 税別220円)

完成度が非常に高い。大陸の風を強く残しつつ、日本人の存在をしっかりと意識した一品。そして「麻:マー」のもと「花椒(かしょう / ホアジャオ)」のフローラルな爽やかさは、まさにお花畑。お花畑で担々麺を食べる感覚は、まさしく大陸の風である。

ぜひ風を全身で感じて欲しい。麺、具、タレの一体感が良く、まさに三位一体。食べているとこんな情景が目に浮かぶ……

この担々麺を作った人は、四川の寒村で生まれ育ち、お使いの最中に迷子になった山奥で担々麺村の住人に保護。そこで担々麺作り修行に明け暮れる。

そして20年後……世界に担々麺の素晴らしさを伝えるために、号泣しながら担ぎ棒一つで来日、日清に殴り込むも「カップヌードルシーフード」に惜敗。それを見ていた日清の社長に「うちでやってみんか?」と誘われ、今回の汁なし担々麺を作り上げた(第1章終わり)

……そんなストーリも勝手に想起される一品だった。実に好(ハオ)!

2位:どん兵衛焼うどん 担担花椒仕立て(日清 3月26日発売 税別180円)

第一印象はこう。花椒パウダーが赤いのに違和感。たとえば、たとえばだが猪木のパンツも花椒も色は黒だ。それは変わらない。猪木が赤色のパンツ履いて入場してきたら「そらおかしい」と思わないだろうか。


だが、食べてみるとその違和感はなかったことに! 味についてはコクがあり、非常に美味い。汁が無いのにあのモッチリした「どん兵衛感」がしっかりと残せている点もすごく良い。辛味は日本風だが、花椒がうまく大陸へと連れて行ってくれる。赤色の花椒のくせにやりおる。


──以上が1位&2位。ウマミと辛さ、そして異国感を出してくれる「花椒」のバランスの良さが突出しており全く迷う余地はなかった。奇しくも両方とも日清食品! そういえば日清は古くから中国大陸や香港でも展開している……そういうことなのか!? さすがやで!!

さて続いて後半の2つなのだが、これは甲乙つけがたし。同率3位とさせていただきたい。なぜなら味の方向性がパックリとわかれてしまっていたからだ。


3位:四川担担麺 阿吽 つゆ無し担担麺(サンヨー食品 4月3日発売 税込298円 ※ファミマ限定)

チンゲンサイが小さい。担々麺にチンゲンサイが少ないのは大陸ポイント減点。担々麺は挽肉とチンゲンサイの宇宙だ。多すぎても少なすぎてもいけないと思う。

しかも、湯きりの際に小さなチンゲンサイが放流され、悲しみもマックスに。しかし、味は結局美味い。日本風の味が強めだが、辛みと花椒の痺れは中国の賑やかな路地を思い起こさせる。こういうのがコンビニの食べ物であるのは、中国旅好きとして大変ありがたい。

3位:中華三昧プレミアム汁なし担々麺(明星 4月16日発売 税別225円)

今回のラインナップの中では一番存在感がない。優しい担々麺。甜麺醤(テンメンジャン)入りであることが強調されており、優しさの発信地はきっとコレ。他とは一線を画す味わいと言える。

ただし花椒は完璧に粉末になっているわけでなく、形状をとどめていたのが雰囲気的に良い。ここはポイント高し!

汁なし担々麺は基本的に暴力的なものなのだが、「優しい担々麺も好きかもしれない!」という新たな扉が開いたのだった。


──以上である!

このランキングは、具が胃の中で暴れるほど激しい「麻辣(マーラー)」が好きな人間が食べるとこうなったという結果だ。「最強」を決めるべく、順位はつけたが、どれも基本的に美味しかったということは強調しておきたい。麻辣(マーラー)好きの皆さんの参考になれば幸い。そして、麻辣(マーラー)が日本に定着してくれたらマンモスハッピーだ!

Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.
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▼参考に以前の記事でも紹介した汁あり担々麺「地獄の担々麺 護摩龍」も食べてみた!

▼花椒感がゼロなので花椒中毒には向かない設計。大陸の風は吹かない。でもウマイ。汁あり坦々麺の日本生まれ説を信じざるを得ない味わいであった。

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