2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催まで残すところ2年ほどとなった。都内では急ピッチでオリンピック関連施設が建造されているが、いまオリンピックにまつわる “ある話題” が注目を集めていることをご存じだろうか?

2018年3月下旬、東京オリンピック・パラリンピック競技組織委員会は「大会ボランティア募集要項案」を発表した。それによると案内係から移動サポート、さらにはヘルスケアまで合計8万人を募集するというのだ。東京都のボランティアスタッフ3万人と合わせると11万人にもなるが、当然ボランティアということは “タダ働き” ということになる……。

・ボランティアなのか? タダ働きなのか?

今回発表されたのはあくまで “案” であり、正式な募集は7月下旬を予定しているという。この中で組織委員会が「積極的に応募していただきたい方」としているのは、以下のような人材である。


1: 東京2020 大会の大会ボランティアとして、活躍したいという熱意を持っている方
2: オリンピック・パラリンピック競技に関する基本的な知識がある方
3: スポーツボランティア経験をはじめとするボランティア経験がある方
4: 英語やその他言語のスキルを活かしたい方


賃金が発生する企業の人材募集でも人が集まりにくいとされる中、「英語やその多言語のスキルを活かしたい方」とは見方によってはかなり大胆な募集ともいえるハズだ。ボランティアの精神自体は否定しないが「合計10日以上活動しても無償」とはいかがなものだろうか?

・4000億円以上ある?

この件に対し、『電通巨大利権 ~東京五輪で搾取される国民~』の著者で作家の本間龍氏は、自身のTwitter(@desler)で以下のように投稿し大きな反響を呼んでいる。


「全ての学生諸君は東京五輪のボランティア参加をやめましょう。なぜなら五輪はただの巨大商業イベントで、現在42社ものスポンサーから4000億円以上集めており、無償ボラなんて全く必要ないから。あなたがタダボラすれば、その汗と努力は全てJOCと電通の儲けになる。バカらしいよ」


この投稿は4万6000リツイート以上を記録するなど盛大に拡散しており、その多くはオリンピック組織委員会に対し批判的な声である。一部をご紹介しよう。

・ネットの声

「これは同意。それだけの金がありながらタダ働きさせるなんて論外」
「本音は “経費もったいないのでタダ働きさせてケチりたい” でしょ」
「本音を隠すために “奉仕の精神の大切さ” とか “みんなで作るオリンピック” とかキレイごとを言うんだよ」
「ボランティアって、自分含めた自分たちや困っている人たちを助けるためにやることであって、無償で労力を提供するものではないんだよな」
「今回のは完全にボランティアじゃなくてタダ働き募集だもんな」
「被災地のボランティアなら喜んで参加するけどな」
「4000億円も集めててタダ働きかよ……」
「学生はボランティアして当然みたいな風潮もやめて欲しい」

なお、本間氏によればこの件である国会議員と打ち合わせをし「国会で追及することが決定した」という。ボランティアなのかタダ働きなのか? 様々な意見がありそうだが、今後この問題が大きな注目を集めそうだ。

参照元:大会ボランティア募集要項案、Twitter @desler , used with permission.
執筆:P.K.サンジュン

▼4000億円もあるのか……。

▼今後、国民的な議論を呼びそうだ。