全国3000万のプロレスファン諸君! ついに俺たちの時代が来たようだ。なぜならプロレスファンであることを明かすたびに「あれ痛いの?」「八百長なんでしょ?」「涙のカリスマ(笑)」と小馬鹿にされた我々プロレスファンに超有利な、その名も「プロレス採用」が実施されているからである。

世界初の試みとなる「プロレス採用」は、横浜を中心にイベントの企画運営などを行う株式会社エフジーが実施しているプロレス愛に特化した採用枠のこと。言い方を変えると採用条件が「プロレス好き」という、プロレスファン大勝利の画期的な採用システムなのだ。時は来た──。

・社長が大のプロレスファン

株式会社エフジーのホームページによると「プロレス採用」を実施したのは「社長が大のプロレス好き」であることが最大の理由のようだ。しかし社内にはプロレスファンが少なく社長が孤独を感じていることから「プロレス採用」が決定したという。

たしかにプロレスの名言や格言、名シーンをいくら熱く語ってもプロレスファン以外はポカーン状態のハズ。例えば「マサさんみたいにゴーフォーブロックだろうよ!」と言ってもプロレスファン以外には「マサさん?」「ゴー……なんて言った?」となってしまうに違いない。社長の孤独は痛いほどわかる。

・実際に応募はあるのか?

それはさておき、プロレスファンとしてやや心配なのは「プロレス採用」で本当に募集があるのかということ。万が一にも応募がなかったら社長の孤独はますます深まってしまうではないか……! 

というわけで株式会社エフジーに問い合わせ、反響や募集状況について尋ねてみることにした。以下で採用担当者(社長ではない)とのやり取りをご覧いただきたい。


──まず「プロレス採用」を実施した経緯を教えていただけますか?

「ホームページにある通り、1つは社長が大のプロレスファンであるということです。それに加えて人材不足、そして普通に募集してもなかなか応募も少ないことから “ユニークな募集をしてみよう” ということでプロレス採用を実施しました」

──わかりました。では「プロレス採用」を実施して、実際に応募があったのか教えていただけますでしょうか?

「はい、おかげさまでとんでもないことになっています。つまりかなりの応募があるということです」

──素晴らしいですね。すでに社長様と面談に入っているのでしょうか?

「それはこれからなのですが、順次そういった流れになっていくと思います」

──やはりプロレス愛が強い人が多いのでしょうか?

「申し訳ありません、私自身はプロレスにそこまで興味がなく……応募者にプロレス愛があるのかわかりかねます」

──そうですか。ちなみに社長様が好きな団体やプロレスラーを教えていただくことは可能でしょうか?

「だ、団体ですか……。それも社長じゃないとわからないです……」


やはりというべきか、株式会社エフジーの社長は孤独であるようだ。ただしプロレス採用で多くの応募があるということだから、近い将来 社長の孤独も解消されるのかもしれない。

とにもかくにも、プロレスファンに圧倒的なアドバンテージがあるプロレス採用。「我こそは」という人はぜひ応募してみてはいかがだろうか。迷わず行けよ、行けばわかるさ。

参考リンク:株式会社エフジー「プロレス採用」
イラスト:株式会社エフジー , used with permission.
Report:P.K.サンジュン

▼社長に感化されプロレスに興味を持った社員もいるようだ。