ネット上でもたびたび話題になる飲食店のドタキャン。中には30人で予約があったにもかかわらず電話1本も無しでドタキャンされた……なんて悲惨なケースもある。ドタキャンされた飲食店は泣くに泣けないのが実際のところだろう。

そんな悪質なドタキャンを根絶すべく開発されたのが、全日本飲食店協会が提供を開始した「ドタキャン防止システム」である。果たして「ドタキャン防止システム」は飲食店の救世主になれるのだろうか?

・全日本飲食店協会が開発

個人オーナーの飲食店で結成されている全日本飲食店協会。「ドタキャン防止システム」も個人飲食店オーナーたちがアイディアを出し合い開発されたものだという。

「ドタキャン防止システム」を簡単に説明すると、ドタキャン歴のある電話番号をデータベース化し、予約の際に電話番号を照会するというもの。ドタキャン歴のあった顧客に対しては、前払い制などで対応するらしい。

正直、アナログと言えばかなりアナログな方法なうえ、初回のドタキャンは防げないなどの弱点はあるが、これでも何もしないよりはマシなのだろう。逆に言えば、飲食店サイドとしてはそれだけドタキャンが切実な問題だということか。

全日本飲食店協会の理事長で、姫路で洋食店を営む関良祐氏は以下のようにコメントしている。


「しょっちゅうではないですが、年に一度は私の店も心無いキャンセルで悔しい思いをします。農家さんの想いが詰まった食材を破棄しなければならない申し訳なさ、わざわざ足を運んでくださったお客様をお断りしてしまった罪悪感、見込んでいた売上に届かない悔しさ、それは気持ちのいいものではありません。

(中略)このシステムは実際にドタキャンをした予約客の電話番号をデータベースにします。つまり、データを提供する店舗が多ければ多いほど、データの信頼性は向上していくのです。データ提供に協力いただく代わりに、利用料金を無料とします

私たちは、「自分の店、自分たちの業界は、自分たちで守る」という信念を持って一緒にこのシステムを育ててくれる同志を必要としています。あなたの力を業界発展のために貸していただけたら、とても心強く感じます」


コメントにもあるように、このシステムは精度の高いデータベースを構築できるかが鍵である。利用料金は無料とのことなので、ドタキャンに泣いた経験がある飲食店のオーナーさんたちは導入を検討してみてはいかがだろうか?

そして飲食店を利用するお客さんたち! 絶対にドタキャンはダメだぞ。致し方ない理由がある場合は必ず連絡して、お店の指示に従おう。

参照元:全日本飲食店協会「ドタキャン防止システム」
執筆:P.K.サンジュン