私はコレで会社をやめました──と聞いて、小指を立てたおじさんの姿が頭に浮かぶ人は、私と同年代くらいか、もしくは年上の読者に違いない。そう、あの禁煙パイポのCMだ。懐かしい〜!

それはさておき、今回は禁煙パイポのCMとは全く逆のアプローチで、タバコをやめたい人に有益な(?)情報を紹介しよう。ズバリ、「私はコレで禁煙をやめました」だ。

・なぜ禁煙できないのか?

結局のところ、禁煙が失敗に終わる原因は1つしかない。悪魔が悪さをするからだ。何とかタバコを吸わせようとする悪魔のせいで、「禁煙しよう」という意志が見るも無残にヘシ折られてしまうのである。

ただし、襲ってくる悪魔の種類は人ぞれぞれであり、「私の場合はこんなヤツが手ごわかった」というのを以前の記事でご紹介した。かいつまんでザッと言うと「ラリホーをかけてくる悪魔」や「頭痛を引き起こす悪魔」に手を焼いたわけだが……!

実は他にまだいたのだ。伏兵が潜んでいたのだ。しかもその悪魔は、ゴール間近になると急に現れたのだ。そいつの正体は……


「禁煙なんて本気を出したら余裕で出来るやん。だから今はとりあえず吸ってしまって、40才過ぎたくらいに禁煙したらええやん」と囁く悪魔


──である。この悪魔、パッと見はニコニコしていて人が良さそうなのだが、胃の中にタールでも詰まってるんじゃないかと思うほどに腹黒い。経済ヤクザ的というか、ボッタクリバーの店員的というか何というか。

その手口は卑劣かつ狡猾で、マラソンランナーに「頑張れ頑張れ!」と声を掛けたかと思ったら、ゴールまであと少しのところで沿道から飛び蹴りしてくる。もしくは、最後の給水コーナーの水に下剤を混ぜてくる。そんなヤツだ。カイジのファンなら、ハンチョウのような悪魔だと思っておけば間違いないだろう。

とにもかくにも、私はこのハンチョウ悪魔の攻撃をまともにくらい、ついつい1本吸ってしまったのだ。「ノーカウントっ……! ノーカウントっ……!」と言いたいところだが、禁煙レース的には完全にアウツ……。

そんなわけで、今も禁煙を続けているという人は、ハンチョウ悪魔に十分気をつけてくれ。今回の私の失敗が、タバコをやめたい人にとって何らかの役に立てれば幸いだ。

Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼飲み会を禁煙で乗り切った後に、急激に巨大化したハンチョウ悪魔

▼これがダメ押し