2017年、自動車の塗装界に、新たなペイントカラーが彗星のごとく誕生した。通称「マジックブラック(MAGIC BLACK)」。寺西化学工業の油性マジック『マジックインキ』で塗られた車が放つ “漆黒の艶” からは、謎の高級感さえ漂っている。

その後、オーナーに無断で洗車機にかけるという非道なイタズラに遭ったものの、マジックブラックは無敵なり。むしろより艶やかになって帰還した。ここまできたら、もっと高級感を出してみたい……。ということで、豪勢にドレスアップをすることにした。

・黒と金

艶やかな黒をベースに高級感を出すとしたら、組み合わせるのは「ゴールド」が最適であろう。黒と金。これほどまでにゴージャスな雰囲気の組み合わせはない。理想はクラシカルな外車のレース仕様で、黒の車体に金のアクセント。さっそくググると……

イメージにピッタリな車がヒットした! メーカーはフォードで、「シェルビー・マスタング」の1966年製造『GT350H』、非常にレアなモデルらしい。詳しいことはよくわからないが、金のラインが悪党のレース車みたいで超カッコイイ!! これにした!

──が、金ラインを買う金(カネ)がない。さて、どうしたものか……と『GT350H』の画像を眺めていたら、いつしか金ラインが違う色に見えてきた。そう、ガムテープ(布テープ)の色である。すぐさまセリアに直行し、100円の布テープを購入した。

あとはもう、貼るだけだ。

できるだけ忠実に『GT350H』と同じように……

ゴールドライン(布テープ)に、マジックでラインを入れたりもしつつ……

サイドラインに入る『GT350H』の文字は、排気量660ccの三菱ミニカなので『GT660H』と少し洒落っ気を出したりもしつつ……

レーシング仕様を意味をする太い2本の「レーシングストライプ(コブラストライプ)」が、若干クネクネと曲がったりしつつも……

作業開始から1時間13分後……

使用した布テープは、ぴったり2巻……

ついに……

三菱ミニカGT660H(ハトピー・マスタング)が完成した\(^O^)/

「狙い通り……!」私は思わずニヤリとした。なぜならば、心で強く「金色だ」と思えば、そこはかとなく金色に見えてくるからだ。シラけた気持ちで近づいたら絶望的に布テープだが、夢見る気持ちで遠く離れたらゴールドラインに見えてくる。

油性マジック9本(塗装費用3888円)だけで全塗装した三菱ミニカ(車体価格980円)には、やはり100円ショップ「セリア」の布テープ(改造費200円)がしっくりくる。作業を近場で見守っていた母からは「貧乏くさい」と言われたけれど、私にとっては夢の車。ボロに乗っても心はシェルビー、俺の愛車はマスタングだ。

Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24、Wikimedia Commons.

▼前

▼よこ

▼GT660H

▼うしろ

▼全作業風景、上から視点

★こちらもどうぞ → シリーズ「100均検証」、「ミニカ物語