衝撃的なニュースが舞い込んできた。日本経済新聞によれば、米メディアCNBCが事情に詳しい関係者の証言として「ウォルト・ディズニーはメディア大手の21世紀フォックスの事業買収を来週にも発表する」と報じたのだ。

もしこの話が本当ならば、これまでアベンジャーズやスパイダーマンなどが展開してきたMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に、X-MENデッド・プール、さらにはファンタスティック・フォーなどが登場可能となるからただ事ではない……! ついにマーベル全開のMCUが実現するゥゥゥウウウウウ!!??

・以前から話はあったが……

少々詳しい人ならばご存じかと思うが、実はディズニーによる21世紀フォックス買収の話はたびたび取り沙汰されてきた。ただ、そのたびに買収金額や諸事情により両社は物別れに終わっており、実現は難しいと見られていたのだ。

だがしかし、今回アメリカの大手メディアが報じたということは、これまでとは違うレベルで信ぴょう性が高いと見てもいいだろう。21世紀フォックスは他社とも事業買収の話を進めていたとされるが、売り先がディズニーならばファンにとってこれ以上ないハッピーな事案となるハズだ。

・マーベルと映画の歴史

さて、ここでマーベル映画の権利に関する歴史をわかりやすく紐解いていきたい。2009年にディズニーに買収されたマーベルだが、ざっくりまとめると以下のような経緯がある。


創業(1939年)~1980年代:「山あり谷ありだけど、コミックだけで食って行けるで。ライバルのDCはスーパーマンやバットマンで映画もヒットしたけど、うちはイマイチやな~。ぶっちゃけ映画は苦手や~」

1980~90年代:「ヤバい、コミックが全然売れない! 子供が全然読んでくれへん!! ヤバいヤバいヤバい!」 → 1997年倒産

倒産~復活(1997年~2000年代):「復活したけど相変わらずコミックが売れへん……なに? フォックスがX-MENの映画の権利を欲しがってるやと? よし売ったろ! 俺らは映画苦手やしな~」

「うわー、X-MENヒットしてるやん。え、次はコロンビアがスパイダーマンの映画の権利を欲しいやて? 売るがな売るがな。ヒットさせたってーや」

「うわー、スパイダーマンもメチャメチャ流行っとるやん……3部作になっとるやん。え、フォックスはんはデアデビル、エレクトラ、ファンタスティック4の権利も欲しいって? この際じゃんじゃんやってくださいな! もちろん売らせてもらいまっせ!!」

2008年:「映画の権利を売りまくって何とか経営してきたけど、マジのマジでヤバいわ……。こうなったら自分たちで映画を大ヒットさせるしかないな! だけど大人気のX-MENとスパイダーマンは作れないし……。よっしゃ、アイアンマンに賭けるで!! 成功してやアイアンマン!!」

アイアンマンは大ヒット、マーベル息を吹き返す。その後、2009年にマーベルごとディズニーが買収、今に至る。


……ざっとこんな感じである。今やヒーロー映画といえばマーベルといった雰囲気さえあるが、過去には経営的にかなり厳しい時代があり、その時期に作品の映画の権利をバラ売りしていたのだ。同じマーベル作品なのに、ヒーローによって登場したりしなかったりするのは、こういった理由がある。

話を戻すと、ディズニーによる21世紀フォックスの買収が正式に決定すると、全てのマーベル作品が晴れてMCUに登場可能になるから、ファンにとっては基本的にイイことしかない(コロンビアが権利を持つスパイダーマンは既にMCUに参加済み)。

2018年4月に公開される『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』以降も20本の作品が映画化されると噂のMCU作品。その中にX-MENやデッド・プール、ファンタスティック・フォーがある……のかもしれない。

参照元:日本経済新聞CNBC(英語)
執筆:P.K.サンジュン