枯れ葉に見える蝶、水草に見える魚など、動物や昆虫が他のものに姿を似せる擬態(ぎたい)。よ~く見ないと分からないほど高度なものも多いが、いくら高度でも能力まで擬態できる生物はいない。そんなのはフィクションの話だ。

……と思いきや、高田馬場で出会ってしまった。そんな擬態能力を持つ店に。名前も外観も外に書かれたメニューも完全に寿司屋なのに、ほとんどの客がそばを頼んでる! しかも、そばがウメェェェエエエ!!

・見慣れた寿司屋に違和感

その店の名は『幸寿司』という。JR高田馬場駅の早稲田口を出ると、早稲田通りを挟んで向かい側に見えるこの店。高田馬場駅を普段利用する人ならば、おそらく1度は目にしたことがあるのではないだろうか。

「江戸前」と書かれた看板からは硬派な雰囲気が漂う。店外で確認できるメニューも「とろ鉄火巻き(1500円)」「とろ鉄火丼(2000円)」など寿司メニューのみで、しかも価格帯は結構ガチの寿司屋である。そのため、私(中澤)は完全に寿司屋と思い込んでいたのだが……

昼時に前を通ったら、のれんが「立ち喰いそばうどん」になっているじゃないか。ウマいそば屋を求めて色んな街を放浪する「立ちそば放浪記」。立ち食いそばと聞いては黙っておれぬ。値段は全くわからないが(なんなら高くともおかしくないが)……突撃!

・意外なことの連続

のれんをくぐると目の前にカウンター。厨房に立っていたのはアネさん的雰囲気の女性だった。てっきり頑固親父を想定していたのだが。そして、カウンターの奥にそばメニューが貼られている。たぬき、きつね、天ぷらそばが390円、かけが310円と安め。早くも意外なことの連続だ。

・安い価格帯

他にも、月見(360円)、わかめ(380円)があり、プラス70円で味付け玉子をトッピングできるのも嬉しい。必要なものは揃っているラインナップである。私は天ぷらそばを注文した。

すると、登場したのはつゆが濃い色のザ・関東そば。天ぷらは揚げ置きだが、ネギや大葉、ニンジンなど色彩が豊かでつゆを吸っておいしそう。まずは、そばを食べてみたところ……

中太くらいのそばが、噛み応えがありつつもスッキリしている。そんなそばが、濃厚で甘辛いつゆと合っておりウマイ! 彩り鮮やかなかき揚げを食べると、そんなつゆの甘辛さがより深く味わえてさらにそばが進む。これが380円はハッキリ言って高コスパだ。

・立ちそばの隠れた名店

その証拠に、お昼時のこの店には次から次へと客が入店し、そばを注文していく。全員明らかに常連のスピード感だった。高田馬場駅を利用する人にとってお馴染みの店となっているに違いない。

見た目が完全に硬派な寿司屋であるにもかかわらず、立ち食いそばが大人気のこの店。そば屋化するのは朝と昼のみで、夜はちゃんとガチの寿司屋になるらしい。

言わば「二毛作店」というヤツだが、昼そばの存在には気づきにくい立ち食いそばの隠れ名店である。高田馬場に行った際はぜひ一度味わってみてくれ。

・今回紹介した店舗の情報

店名 幸寿司
住所 東京都新宿区高田馬場2-19-6
営業時間 月~土6:30~13:30 / 17:00~25:00
定休日 日・祝

Report:立ちそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼『幸寿司』なのにほとんどの客がそばを注文



日本、〒169-0075 東京都新宿区高田馬場2丁目19−6