極地冒険家・荻田泰永(おぎた やすなが)氏による「南極点を無補給単独徒歩で目指す冒険」が、いよいよスタートした。当初、2017年11月18日頃をめどに南極点に向けて歩き始める予定だったが、さまざまな状況を考慮してスタート予定日を1日前倒したという。これから、すべてが始まる。

・チリから南極大陸上陸

荻田氏は、11月10日に羽田空港からエアカナダで経由地のトロントに向けて飛び立った。そこからチリの南端近くの街、プンタアレナスに到着。11月15日に南極に上陸し、ベースキャンプである「ユニオン氷河キャンプ」に辿りついたという。

それから同地で準備を整えた荻田氏は、天候の状況を考慮し、スタート予定日だった18日よりも1日前に出発。むかう先は、約1000キロもかなたの南極点だ。

ちなみに、ユニオン氷河キャンプの気温はマイナス13度だったらしい。そんな気温でも南半球は夏というから驚きである。

・初日の移動距離は5.5キロ

とにかく、このようにして始まった荻田氏の「南極点無補給単独徒歩」を目指す冒険。その初日は、スタート地点のヘラクレス入り江から約2時間半歩き、5.5キロ前進するにとどまったという。どうして、そんなに短い距離で止まってしまったのか? 実は、スタート時間は現地時間の15時30分で、移動できたのは夕方までの2時間半だったようだ。

移動距離を地図で見ると、ごくわずかの距離しか進んでいないのがわかる。だが、この小さな積み重ねが確実に彼を前に進めて行く。日本人初の無補給単独徒歩の冒険は、今始まった!

※南極お悩み相談

荻田氏のTwitter( @ogitayasunaga )をフォローして、「#南極お悩み相談」をつけて相談を投稿すると、荻田氏が相談に答えてくれるかも! 衛星電話を使って、相談内容は荻田氏に伝えられるぞ。南極の荻田氏に相談してみよう~!

協力:荻田泰永南極遠征事務局
Photo:荻田泰永, used with permission.
執筆:佐藤英典
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▼マップ左下の赤い丸印がユニオン氷河キャンプ

▼直線に伸びた先の最初の丸印がスタート地点。重なっている下の丸印が現在地。ほとんど進んでいないように見えるが、5.5キロ前進している