人生において、愛・健康・お金・人脈……などと並び「タイミング」は非常に重要である。下準備がどれだけ万全でも、タイミングが悪いと全てはオジャン……なんてことも少なくない。逆にタイミングさえ良ければ、あれよあれよという間に物事が順調に進んだりするものだ。

今回ご紹介するのは、起こりたてホカホカの話である。というか一昨日、2017年11月7日の話である。私(P.K.サンジュン)が「えっ、ここで!?」という最悪なタイミングで「ロケットニュースの人ですよね?」と声を掛けられた話をしたい。

・いつもは嬉しい

顔出しでライター業をしていると、街中で「サンジュンさんですよね?」「いつも読んでます」「頑張ってください」などとお声掛けいただくことはまあまあある。特徴的な髪型が目に付きやすいのだろう、週1くらいのペースで声を掛けていただいているハズだ。

駅のホームであろうとイベント会場であろうと、お声掛けいただくと基本的にはありがたいし素直に嬉しい。「悪いことは出来ないな」と思う反面、「もっと頑張らなきゃ」と励みになっている。これまで声を掛けていただいたみなさん、本当にありがとうございます。

だがしかし、一昨日の「ロケットニュースの人ですよね?」は最悪であった。この話を知っていただくためには、まずは私が居住しているロケーションを理解してもらう必要があるので説明しよう。

・1階の飲食店がうるさい

現在、私は東京都台東区の賃貸物件に住んでいる。その建物の1階部分は飲食店で、食通ならばおそらく知っているであろう超有名店がプロデュースするお店だ。名前は伏せるが店は完全予約制で、しかも20人以上でないと予約が出来ない。それでも毎日のように人が押し寄せる超人気店である。

人気なのはイイ。お店にはジャンジャン儲けて欲しいし、お客さんにも美味しいものを食べて幸せな気持ちになってもらいたい。……んが、私の住むエリアは住宅街であり、特に夜になると人気(ひとけ)も少ない静かな町である。

2016年にこの店がオープンして以来、騒音は確実に増えた。というか、騒音ゼロ物件が有り物件になった。外でタバコを吸いながらくっちゃべってるのもウルさいが、特に厄介なのは20人が一気に店から出てくる帰り際である。

先述のように、辺りは住宅街。大通りに面しているでもなく、基本的には閑静なロケーションだ。そこに腹を満たし、適度に酔っぱらった20人が放出されるのだから、やかましくないワケがない。しかもそのお店は日本酒飲み放題なので、多くの人が “出来上がっている状態” なのだ。

・1度注意した

まだお店がオープンして半年ほどのこと。私が帰宅する際、たまたま店の前の歩道を占拠するお客さんの集団とカチあった。集団は私に気付く様子もなく、道を開ける気配もない。カチンと来た私は店の中に飛び込み、店主さんに「マジでやめさせてもらえませんか?」と直談判した。

お店に対して悪い感情はないが、毎日毎日100%やかましいのは耐えられない。しかも我が家には当時0歳(今は1歳)の娘がいた。ようやく寝かしつけたと思っても、帰り際の大騒ぎで目を覚ましてしまったことも1度や2度ではない。要するに、我慢の限界だったのだ。

店主さんは「すみません、気を付けます」と約束してくれ、以降は帰り際のお客さんに「住宅街なのでお店の前に溜まらず駅の方向へ向かってください」とアナウンスしてくれている。それ以来、一時的にはうるさくなるものの、ある程度は仕方ないと大人の対応をしている状況だ。

・一昨日の話

そして一昨日である──。いつも通り、一瞬はやかましくなったものの、数分後には静寂を取り戻した我が家。……と思いきや、数名の男性がワイワイやってる声が聞こえてくるではないか。時間にすると30分くらいは盛り上がりが止まらない。

「いつもと違うぞ?」と感じた私は、まず資源ゴミを捨てに行くついでに、1階へと降りて行った。するとそこには30代前半くらいの男性2人がいて、1人が盛大に嘔吐していたのだ。正直、家の前で吐かれるのは気分が良くないが、私にも酔っぱらって道ばたで吐いてしまった経験がある。このときは何も言わずに部屋へと戻った。だがしかし……。

数分すると、また騒ぎが始まった。これは絶対に2人のボリュームではない。1人は吐いて死にそうになっているのに、このパーリー感はどう考えても異常である。それでも私はまた30分ほど耐えた……のだが、娘がぐずり始めたのでついに一言注意するため、1階へ降りて行った。

そこには案の定5人の男性がいて、先ほど姿が見えなかったのは、おそらく吐いている友人のために水でも買いに行っていたのだろう。すぐに私は「すげえ、うるさいです。子供も寝てるんで、帰ってもらっていいですか?」とキレ気味に告げた

騒がしいという自覚もあったのか、「すみません」「ごめんなさい」と口にしてすぐにシュンとなった男性5名。そして私が立ち去ろうとした次の瞬間! 一人の男性が、


「ロケットニュースの人ですよね?」


……と声を掛けてきたのだ。


い、いま言う!!!???


この件に関し、私は100%悪くないと確信しているが「ロケットニュースの人ですよね?」と言われて、何とも言えない気持ちになったことは紛れもない事実である。こっちもこっちでキレ気味の表情を作っているので、私は、


あ、……ハイ


……としか言えなかった。

先述の通り、お声掛けいただくことは本当にありがたいし嬉しい。……が! 一昨日の件だけは初めて嬉しくなかった……というか困ってしまった。繰り返しになるが、人生においてタイミングとは本当に重要だと感じた次第である。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼我々ロケットニュース24メンバー、基本的にはいつでもお声掛けください。