肌の色、生まれた場所、性別、外見、身分、職業……人間はさまざまなことで、正当な理由もなく他者を差別する。「◯◯だから、しょうがない」「これは差別ではない」などの舌先三寸な言い訳も聞かれるが、これからお伝えするような場面でも全く同じことが言えるのだろうか?

ある黒人男性が、白人至上主義者にハグをしながら「なんで僕のことが嫌いなのか?」と質問し続けたのだ。すると思いもよらぬ答えが返ってきたのだとか……。

・白人至上主義の男性

「アメリカは白人男性だけのものだ」。そんな過激な発言で知られる白人至上主義「オルタナ右翼」の指導者リチャード・スペンサー氏が、この度、米フロリダ大学でスピーチを行った。

米メディア『New York Daily Mail』によると、大学周辺には、スペンサー氏を支持する人、反発する人などが多数集まり、互いの意見を主張しあう事態になったとのこと。その場で白人至上主義を主張していたランディ・ファーニスさんも人々に取り囲まれ、激しい非難を受けた。

・黒人男性「なんで僕のことが嫌いなんだ?」

そこに通りかかったのが、アーロン・コートニーさんという黒人男性だ。スペンサー氏への抗議活動を終えたところで、ファーニスさんを巡る騒ぎを目撃。彼は「実際に自分のことを嫌っている人間と話すよい機会」だと輪に加わり、ファーニスさんの目の前に立って、こう問いかけた。

「なんで僕のことが嫌いなんだ? 僕の何がいけないんだ? 肌の色か? 歴史か? それともこのドレッドヘアか?」

ファーニスさんは、これらの質問を無視。そんな態度に、コートニーさんは怒りを覚えていったそうだ。

・「彼が必要なのは愛」とファーニスさんをハグ

だが、そこで「彼が必要なのは愛なのではないか。アフリカ系アメリカ人とちゃんと接したことがないのでは?」と思い至ったコートニーさんは、ファーニスさんの体に腕を回して抱きしめながら、抱きしめ返すように訴えかけ始めたのだ。

これにはファーニスさんもビックリして、最初は抵抗を見せたそう。しかし、諦めずに何度も体を抱きしめてくるコートニーさんに根負けしたのか、最終的にはファーニスさんもコートニーさんを抱きしめ返したのだった。

・ファーニスさんの答え「分からない」

ここで再び、コートニーさんは「なんで僕のことが嫌いなんだ?」と質問。するとファーニスさんはついに口を開き、こう返答したと伝えられている。

「分からない」

今回の事態について、コートニーさんはメディアに対して「あれは彼の正直な気持ちだったのでしょう。彼自身にも差別する理由が分かっていなかったんです」「たった1回のハグで、世界を変えることだってできます。シンプルなことです」と話しているのだった。

参照元:New York Daily MailChicago Tribune(英語)、Twitter @Politics4dum
執筆:小千谷サチ

▼「何で俺が嫌いなんだ!?」とコートニーさんはファーニスさんを抱きしめた