スパ! 思わせぶりなタイトルでポレ(Pole / スマン)な。ルカだ。百獣の王ライオンとの決闘で1勝したこともあるうえ、ライター業で稼いだ原稿料で「村の枯れた井戸」を見事に復活させた実績もある、誇り高きマサイ族の戦士・ルカだ。

今回のマサイ通信、重大な発表があるぞ。オレ、村の井戸を直したあと、「マサイ通信シーズン2」とも言うべき次の目標を発表しただろ。ゴー(羽鳥)と一緒に考えた目標、それは「もっとデカい井戸を直す」ってことだったじゃん。

でも、それ、ヤメるわ。というのもな……

・デカい井戸じゃ問題解決しない

しょっぱくて飲料水には適さない水だけど、バリバリ役に立ちまくりなんだわ。思った以上に、村のみんな、井戸を活用しまくりまくりingでニッコニコなんだわ。よって、今回オレが井戸を直したことで、生活はだいぶ楽になったんだよ。

いや、厳密に言うと、まだ水には困ってる。今、まじで近年まれに見る「大干ばつ」だからな。でも、そのレベルの水不足には「デカい井戸」くらいじゃぁ立ち向かえないと悟ったのだ。天空神エンカイ様に祈るしかないってな。我らに恵みの雨を……って。

・初心に帰る

んで、よ〜く考えた末、オレは初心にかえることにしたんだ。ゴーに初めて会った時、「井戸を直したいから援助してくれ」って頼んだんだけど、それと同時に「村のチビたちが通う学校も、オンボロだから援助してくれ」とも頼んでいたんだ。

でも、結果的にはゴーのスパルタ「テメーの力でなんとかしろ政策」で、こうして井戸を直すことができた。だから次の目標は、「学校を直す」ことにしようかなって。さっそくゴーに相談したら、「お、いいね」とノリの良い返事が! ところが……

「いくらかかるんだ?」とか「何が壊れてて、どうやって直したいんだ?」とか、「貯金達成までの想定期間は?」とか、まるで『マネーの虎』の虎(社長)みたいに、めっちゃ細かく聞いてくるんだよ。ライオンには勝てるけど、虎はムズいな。

ともあれ、現場(学校)の写真をゴーに送りまくりつつ、いろいろ細かく説明した。

・いろんなことを教わった母校

オレが直したい学校は、実を言うとオレの母校だ。村のチビッコ学校じゃなくて、ちょい外れにある、もっとデカい学校だ。英語はもちろん、いろんなことを学んだもんさ。6歳から17歳までの子が通う学校で、日本語で言うなら……何だろうな? わかんね。

ちなみに生徒(児童)は全員マサイ族。全生徒数は250人くらいかな。で、今抱えている問題は、圧倒的に「教室が足りてない」ってことなんだ。前にアップした「マサイの学校写真集」にもチラっと写っていたと思うけど、あの学校を直したいんだ。

・スーパーマリオじゃないよ

というのもな、教室が1部屋、建設途中のままで放置されちまっているんだ。写真をパッと見ただけだと「スーパーマリオのステージかな?」と思うかもしれんけど、これ、作りかけの教室な。お金がなくて、工事が途中で終わっちゃってるんだよ。

この学校の、今現在の「部屋数」は7つある。職員室とか、何かモノが置いてある部屋とか、いろいろあわせての7部屋だ。チョーがんばって強引に使えば、7つの教室がある感じなんだが、オレ的には、もうひとつ教室がほしいんだ。8つめの教室がな。

んで、この8つ目の教室を作るためにかかる費用は、ざっと30万ケニア・シリング(約33万円)。当初目標にしてた「デカい井戸」の約2倍、先日達成した「村の井戸」の修理費用の3倍だ。ちょっと目標デカすぎるかな……と思ったんだけど、ゴーの返事は


「なるほど、それならイケる。よし、やろうぜ兄弟」だった。何を根拠に「それならイケる」なのかよくわからんけど、きっと何か秘策があるんだろう。ともあれオレは母校を直す。オレたちはマサイの学校を立て直すんだ。

・勉強だいじ

きちんと勉強できるマサイ族がもっと増えたら、そこで学んだ知識や語学を活かして、オレみたいにチャンスをモノにできるマサイ族も増えるだろ。いま直面している「干ばつピンチ」を救う方法を考えつくマサイ族も出てくるかもしれんだろ。そしたらマサイの未来も明るいだろ。だから「学び」から直していきたいんだ。ほな、オレセリ!

Report:ルカ(マサイ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

▼こちらがシーズン2の目標になるルカの母校です

▼外での授業

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