ひと昔前に比べたら、徐々に状況が改善されてきているとはいえ、今でも深く社会に根づく人種差別。そんな差別問題が、大企業の広告でクローズアップされることとなってしまった。

世界中でビジネスを展開するユニリーバ社傘下のブランド「ダヴ」が、黒人女性が服を脱ぐと白人女性に……というコンセプトの広告を制作。それを見たネットユーザーから、「人種差別的すぎる」との声が相次ぎ大炎上! しかし、問題のCMに登場した黒人女性がダブを擁護しているというのだ。

・ダヴの広告が人種差別的だと大炎上!

英ニュースサイト『itv』によると、ダヴが公式Facebookページに、ボディウォッシュを宣伝するキャンペーン動画を投稿。現在は削除されている広告動画では、黒人女性が茶色のTシャツを脱ぐと白人女性に変わり、次に白人女性がTシャツを脱ぐとアジア人女性に変身する……という内容になっていたのだという。

・本来の目的が裏目に……

同社は、世界中で取り上げられているダイバーシティ(全ての分野に人種的な多様性を持たせようとの考え方)を支持する目的で広告を制作。英ニュースサイト『Mirror』は、「人種を問わず、どの肌のトーンにも使えるボディウォッシュですよ」との意図で黒人から白人、白人からアジア人へ変わるコンセプトだったのでは……と述べている。

ところが、動画を見て「人種差別的」と感じた消費者やネットユーザーは少なくなかったようで、広告は炎上。本来の目的が、裏目に出てしまったのである。その後、ダヴは問題となった広告について、Twitterに謝罪文を投稿することに……。

・以前にも物議を醸したことが

なお、同社は以前にも人種差別的な広告で物議を醸したことがある。2011年には、「肌のトーンが明るくなる」との宣伝文句で黒人女性を “ビフォー” 、白人女性を “アフター” と称した商品広告を制作し、大きな問題となっていたのだ。

そのため、「またか!」と憤慨したネットユーザーの怒りは、簡単に収まらなかったもよう。

・CMに登場した黒人女性がダブを擁護

一方で、問題のCMに出演した黒人女性ローラ・オグンイェミさんが、英ニュースサイト『The Guardian』にエッセイを投稿してダブを擁護。撮影現場では、ダイバーシティのコンセプトを理解した上でモデル全員が出演しており、「私は人種差別の犠牲者ではない」とコメント。

また、「過去の広告が誤解されたこともあり、今回のCMも適切に解釈されなかった」と述べているようだ。

参照元:Twitter @keithboykinitvMirrorThe Guardian(英語)
執筆:Nekolas

▼人種差別的だと大炎上したダブの広告(※動画は削除されている)