・食べるとどうなるのか?

──それはさておき、マジックマッシュルームを食べるとどうなるんですか?

ボブ「おう、そうだった。えっとね、キマり方は人それぞれだと思う。バッドに落ちたら最悪だと聞いたことがあるけど、俺は大丈夫だったな。楽しかったよ」

──どう楽しかったんですか?

ボブ「月並みだけど、まずは「多幸感」っつーか、幸せな気持ちに。でもそれよりも、視覚的な変化の方が強烈だな。一説によるとLSDよりスゴいらしい」

──どんな感じで見えるんですか?

ボブ「それも、その時のシチュエーションや対象物によって違うから、一言では表現できないよ。ほら、この前、駅のポスターで表現したじゃん。あんな感じよ」

──もっと詳しく教えてください!

ボブ「ん〜……。たとえば、家賃4万チョイの風呂なしアパートにいるはずなのに、なぜかそこが “アラビアの海に浮かぶ船の上” に感じたこともあったな」

──い、意味がわかりません……

ボブ「ん〜……。友達の顔が部屋の天井くらいまで大きく見えたり。あとは、普段の景色が綺麗に見えたり……って、言葉にすると意味不明だろ。でも、そういうもんなんだよ。それが幻覚作用ってもんなんだよ」

・なぜ違法になったのか?

──ちなみに、なぜマジックマッシュルームが日本で違法になったと思いますか?

ボブ「ま〜、「これは違法だろ(笑)」ってくらいのパワーはあるよな。初心者がうかつに手を出しちゃいけないシロモノであることは間違いないよ。この世の中、バカが多いから」

──何も知らないで手を出すバカが多い、と!

ボブ「そう。その昔、マジックマッシュルーム食べて幻覚症状を起こして錯乱したあげく病院のお世話になるという恥ずかしすぎる事件を起こした俳優の伊藤英明みたいな大馬鹿野郎が多いからな」

──ボブさん、ほんっと〜に伊藤英明さんのことが嫌いですね(笑)

ボブ「ドラッグだけじゃなく、どんなモンに対しても言えることだけど、そのモノを “ちゃんと知ること” は超重要だと思うんだ。体に入るものなら、なおさらな」

──徹底的に「検索しろ!」と。

ボブ「ただし俺のことは詮索するなよ。それはさておき、たとえばマジックマッシュルームやったら、どんな危険なことが起きるのか……ってことについても、もっとちゃんと知っておくべき」

──よ〜し、さっそくググります!

・マジック・マッシュルームによる死亡例は?

──いま「マジック・マッシュルーム」でググってみたら……1つ目にヒットするのはWikipedia。5つ目に「東京都福祉保健局」がヒットしました!!

ボブ「おう、「食べると危険!マジックマッシュルーム」ってページだな」

──あれ? 冒頭に「マジックマッシュルームが原因と疑われる中毒や事故も報道されており、中には、死亡した例もあります」ってありますが、中毒で死ぬこともあるんですか?

ボブ「え? バッドに入って錯乱して、ビルから飛び降りたりする事故死や自殺する “間接的な死亡例” なら知ってるけども、中毒死ってのは聞いたことないぞ。ちょっと「中毒の専門家」のサイトを調べてみっか……

──中毒の専門家って(笑)

ボブ「あ〜。公益財団法人「日本中毒情報センター」で調べてみたら、たしかに昔、マジック・マッシュルームそのものが原因とされる死亡例が海外で1例だけあったらしい」

──1例だけですか!

ボブ「それも、「小児死亡例が1例あり」な」

──子供じゃないですか……

ボブ「小児といえば15歳未満の子供。そんな年齢の子だったら、マジックマッシュルームでなくても、たとえば合法の酒でさえも、過剰に摂取したら死んじゃうよ

──なんというか、表現のマジックですね。マジックマッシュルームの話なだけに。

ボブマイルドなプロパガンダだわな。たしかにマジックマッシュルームは、使いようによっては危険だよ。でもさ、ちょっと表現が雑だなァ〜って感じるわな」

・マジックマッシュルームの未来

──いま、世界的に見ても違法になっている国が多いマジックマッシュルームですが、今後は大麻みたいに「合法化」になっていきますかね?

ボブ「嗜好用としては……たぶん、ないな(笑)

──ないですか(笑) さすがのボブさんでも、ないと思いますか!

ボブ「嗜好用としては、だぞ。でも、医療用としての活用は増えてくるんじゃないかな〜と思ってる。「うつ病治療に有効な可能性」って研究結果もあっただろ」

──医療用大麻ならぬ、医療用マジックマッシュルーム!

ボブ「いろんなドラッグに言えることだけど、ここ最近、やっと研究が盛んになって、知られざる実態が解明されてる。大麻もそう。助かっている人が大勢いる」

──てんかん持ちの子供さんとか、大麻の作用で助かったりしていますもんね。

ボブ「あとは、がん患者とかもな。日本でも実際に、大麻によってがんの進行を抑えていたのに逮捕されて、大麻が使えなくなって亡くなった人もいるくらいで」

──あの一件は、「法律とは何か」を考えてしまいました。

ボブ「別に合法化を訴えているわけじゃないけれど、「違法だから悪い物」と決めつけて、その実態を何も知ろうとせず、思考停止するのはよくねえよ。合法なのに悪い物もたくさんあるし、合法なのに死ぬ恐れのあるモノも、たくさんあるだろ」

──たとえばお酒(アルコール)とか、ですね。

ボブ「たしかにマジックマッシュルームは危険な面もあるけれど、使い方によっては「死ぬ可能性」どころか「生きる可能性」が生まれるんじゃないかな。良いところも悪いところも隠すことなく、公平公正に、マジックマッシュルームに対する正しい知識の普及が進んでくれることを切に願うよ。俺から言えるのはそれだけだ」

参照元:東京都福祉保健局、日本中毒情報センター(PDF
執筆:GO羽鳥
協力:ボブ麻亜礼
Photo:Rocketnews24.

▼冒頭に出てきたマジックトリュフについては、こちらの動画が詳しい