新宿といえば、日本でも屈指の大都会である。1日の平均乗降人数は約350万人で、2011年にギネス認定されている。国や地域の垣根を超え、老若男女さまざまな人が行きかうこの巨大駅で、ちょっと変わった雰囲気の絵を販売する男性の姿を目撃した。

絵心のない私(佐藤)は、残念ながら「芸術」が良くわからない。だが、この男性の絵は……どういう訳か見過ごすことができずに1枚(500円)買ってしまった。この絵はきっと何か深い意味を持っているに違いない──

・路上で絵を売る男

「新宿駅で絵を売る」、この行為を見かけるのは初めてではない。今から7年前に、同じく新宿駅でスプレー缶アートを販売している男性に遭遇したことあった。彼はスプレー缶を自由自在に操り、宇宙を感じさせる壮大な作品を作り上げていた。

そのスプレー宇宙男は、いつの頃からか見かけなくなってしまったが、今回遭遇した「路上で絵を売る男」は、まったくの別人である。共通しているのは、路上にいること。そして絵を売ること。これだけだ。

・“なにか” を感じる

彼を見かけたのは、12時を少し過ぎた頃だっただろうか。路上に小さなダンボールを敷き、その上に作品を1つずつ置いて……これから販売を開始しようとしている様子に見えた。一旦は素通りしたのだが、私はすぐに来た道を引き返して、もう1度彼の前を通過した。

というのも、彼の絵があまりにも個性的だったからである。一言で感想を述べるとすれば、


「な、なんだ。これは……」

である。

これでも40年以上人生を重ねて、大抵のことには驚かないようになっているはずだった。だが、彼の作品からは並々ならぬ “なにか” を感じた。絵心はないが、訴えんとするものが伝わってきたのだ。よく見ると、彼の絵には2種類の値段が付けられていた。

・1000円と500円

まずは1000円という価格。そして小さいサイズは500円とのこと。パッと見た感じでは、サイズの違いが判別できない。買うなら1000円の方だろうか……。それとも500円の方だろうか……。踏ん切りがつかないまま、もう1度素通り。そんな往復を3回繰り返した後に、意を決して500円の作品を購入した。

『パピルス「五円玉」』と題されたこの絵について、次のページでさらに詳しくお伝えしたいと思う。

参考リンク:Guinness World Records
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24