近い未来、いま人間がやっている多くの仕事をロボットやAIが行うようになると言われている。「手術」もそのひとつだ。人の手以上の細かな動きができるといい、また、遠隔操作を用いて、遠く離れた場所にいる名医に執刀してもらえるなど期待も大きい。

そんなロボット手術シーンに、ひとつ新たな歴史が刻まれたと報じられている。なんと中国でロボットによる歯科手術が成功!! プログラムを用いて、全く人間の手を介さずに行われたというのだ。

・中国でロボットによるインプラント手術が成功

中国報道によると、手術が行われたのは2017年9月16日のこと。場所は、陝西省西安市にある「空軍軍医大学口腔医院」だそうだ。ここで “ロボット歯医者さん” によるインプラント手術が行われたのだという。

動画「World First Autonomous Dental Implant Robot Put into Use in China」には、一人の患者が映し出されている。その前に鎮座するのは……おお、これがロボット歯科医師なのか! ロボットが人に操作されることなく、チュインチュインと歯の処置をしているのだ。

・人間は見守るだけ

この手術の流れをザックリいうと、「あらかじめプログラミングされたロボットが、3Dプリンタで打ち出した人工歯を、患者に移植する」というものだ。

それはいいけど、「手術中に患者が動いてしまったりしたら……」なんて不安も出てくるだろう。でもご安心下さい! ロボットは患者の動きに合わせ、自ら微調整もできるという。実際に今回、差し込んだ際の誤差は、想定のたった 0.2~0.3mm であり、手術は無事に成功したという。

なお、手術の工程において人間の医師は見守っているだけ。ロボットにお任せ、手術は1時間もかからずに終了したそうだ。

・全自動は世界初

しかし、なぜインプラント手術をロボットで? 中国では、農村における「高い技術を持った歯科医師不足」が深刻であるそう。ロボットの導入は、問題解決の一助になると期待されているという。さらに、中国では4億人もの人がインプラント手術を必要としているそうだ。……なるほど、そういう需要があるのか! 

実用化を強く望む声があることもあり、研究開発にも力が入るのかもしれない。ちなみに、ロボット補助によるインプラント手術は、導入している国もあるようだが、全自動は世界初になるのだとか。中国メディアによると、この技術に世界各国から問い合わせが殺到しているとのことである。

参照元:YouTube、Sina Weibo @中国日報新浪網財経網(中国語)
執筆:沢井メグ