本日2017年7月26日は「幽霊の日」だそうだ。夏真っ盛りのこの時期になんとも相応しい記念日ではないか。ただし、先に言っておくと私(あひるねこ)は基本的には心霊の類を信じていない。心霊写真を撮ったこともないし、心霊スポット的な場所にも興味がない。

そんな私が、人生で1回だけ「ちょっと怖いな」と思ったことがある。あれはもう15年以上前になるだろうか。北海道にある「支笏湖」という大きな湖の近くで起きた話だ。ちなみに支笏湖は、別名「死骨湖」とも呼ばれている……。

・心霊スポット・支笏湖

北海道千歳市にある「支笏湖」。周囲約40キロメートルの巨大な湖で、札幌市内からだと車でだいたい1時間ほどだ。観光名所としても非常に有名である。私が中学生の時、クラスでこの支笏湖へキャンプに行くことになった。

支笏湖は心霊スポットとしても有名であり、ネットには支笏湖にまつわる心霊体験が溢れている。昔は「死骨湖」だった、なんていう都市伝説が生まれるくらいだ。ただ、支笏湖自体は美しい場所で、ドライブにも適している。

・支笏湖付近でキャンプ

中学生の時の話なので正確な場所は忘れたが、たしかこの周辺のキャンプ場でテントを張ったはず。中学生らしいバカなことをして遊んだ記憶がある。そして、深夜になるとちょっとした肝試しみたいな感覚で、森の中に数名で入っていったのだ。

キャンプ場はうっそうとした森林の中にあり、もちろん真っ暗なので懐中電灯を持って出かけた。あたりには森の匂いが立ち込め、虫の声だけが聞こえる。特に何をするわけでもなく、雑談をしながら真っ暗な中を歩いているのが楽しかったのだ。だがしかし……。

どういうわけか1人また1人とキャンプ場へ戻ろうとする。理由は、なんとなく怖くなったから。いやいや、何をビビッてるんだよ? ていうか、おまえそういうキャラじゃないだろ? 最初は笑っていたものの、最終的に残ったのは私と友人N、Hの3人。当初の半分以下になってしまった。

・異変

その後も、3人でとりとめのない話をしながら歩く。地面にタイヤの跡が残っていたため、私は心のどこかで安心していたのだと思う。昼間に来たら、ここはただの道じゃないかと。その時だった。

突然、なんの前触れもなく、全身にゾクゾクっと鳥肌が立ったのである。何かを見たわけではない。本当に突然だった。なんだ、今のは。当時から幽霊なんてものは信じていなかったが、さすがに嫌な感じがする。私はNとHに「なんか今、すげえ鳥肌立った」と告げた。

すると、Nがこう言ってきたのだ。

「マジで? おれも」

え……? なんと返そうか迷っていると、今度はHが続く。「おれもなんだけど……」

全員しばらく無言のまま歩いていたが、誰かが「戻るか」と言ったので、元来た道を引き返すことに。NとHが言ったことが本当なのかはわからない。しかし、帰り道の我々は、明らかに言葉数が減っていた。

・後日談

その後、何事もなかったようにキャンプに戻り、翌日に帰宅。あれは気のせいだろう。そう思っていた。しばらく経ってからだ。母親から、同じキャンプ場に行った妹のクラスで具合が悪くなる生徒が何名も出たことを聞く。たしかキャンプ自体が中止になったとか、そんな話だったと思う。

私は幽霊なんてものは信じていないが、あの時、妙な気持ち悪さを感じたのは事実だ。あれは何だったのか? 死骨湖の近くだったことと何か関係しているのか? 今となっては、その真相を知る術はない。

執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.