日本一小さな県「香川県」は、讃岐うどんのテーマパークである。県内には約900軒のうどん屋があると言われており、一杯100円のかけうどんを食べるために、小さな製麺所にも大行列ができるそうだ。もし効率よく人気店を巡るのならば、出発前に作戦を立てておく必要があるだろう。

そこで今回は、うどん巡り初心者の筆者が1日でどのくらい人気店を回れるのか検証してみた。県内に住む知人や観光協会の方から頂いたアドバイスをもとに作戦を立て、朝早くから昼過ぎまで、ただただ食べまくってきたのでさっそくご覧いただきたい!

・高松市「手打ち十段うどんバカ一代」

取材当日、高松市内で1番朝早くから営業していたのは『手打ち十段うどんバカ一代』だった。午前6時の営業開始時には、すでに約50人の行列ができていたが、人気メニューの「釜バターうどん」は並んででも食べる価値があるとのこと。トップバッターにふさわしい名店と言えるだろう。

約50分の待ち時間はさすがに長く感じたが、噂の人気メニュー「釜バターうどん」の小(490円)は絶品中の絶品。ムチムチの麺にバターと生卵、だし醤油をよ~く絡めて食べてみると……マジで最強にウメェェェエエエッ! 1軒目から最高ォォォオオオオッ!!

・高松市「本場讃岐うどん たも屋本店」

さあ、つづいて2軒目に訪れたのは、7時から営業している『たも屋 本店』である。並ぶことなく「冷やぶっかけ(310円)」を注文。店内は完全なセルフ方式で、麺を受け取った後に、だしの量、薬味の種類などを自由に調整できるスタイルだ。

筆者は1軒目で濃厚なうどんを味わったので、今回はネギと大根おろし、レモンを乗せて爽やかにアレンジ。さっそくツルッと味わってみると……おいおい待て待て、並んでないから油断していたけど死ぬほどウマいぞ。冷たい麺は歯ごたえが別次元、ノド越しも最高だ。天国かよ香川県、レベルが高すぎる。

・高松市「松下製麺所」

まだ朝8時、とても順調な流れと言えるだろう。3軒目にやって来たのは、こちらも7時から営業している『松下製麵所』。うどん1玉(200円)をどんぶりに入れてもらい、自分で温めてからダシをかけて食べるスタイルである。立ち食い感覚で本場の味をシンプルに楽しめるとは……やはり最高だ。

・綾川町「山越うどん」

そして4軒目は、30分ほどドライブをして綾川町の『山越うどん』へ。9時オープンの少し前に到着したが……信じられないほどの大行列。さすがは「釜玉うどん発祥の店」と言われる超有名店だ。30分ほど並んで入店し「かまたまやま(釜上げ玉子山かけうどん)」を注文。料金は300円、どこで食べても安い。

テーブルに常備してある「かまたま用」のダシ醤油をかけ、よく混ぜてから豪快に麺をすする。味はもちろん最高だが、山芋のおかげで「ズズズッ」という音に迫力が増して気持ちがイイ~ッ!! さらに、1玉でもボリュームがあり食べ応えが抜群であった。

・坂出市「日の出製麺所」

5軒目の『日の出製麺所』は、営業時間が11時半から12時半の1時間のみ。さらに先着100食分のみ、香川県産の小麦粉「さぬきの夢」を使用した麺が食べられるため行列必至である。食べ方は、あつい・冷たい・ぬるい・釜玉の4種類で、常連さんは「ぬるい」を選ぶらしい。

何も知らなかった筆者は「釜玉の小(160円)」を注文。10時半から並んだので、麺はさぬきの夢である。ハサミでネギをチョキチョキ切って、ダシをかければ完成。朝から感動的なうどんを食べまくってきたハズだが……ウマすぎて泣きそうだぞ。160円って絶対おかしいだろ

・宇多津町「おか泉」

日の出製麺所から車で10分ほど、6軒目に訪れたのは『おか泉』である。こちらもやはり人気店なので20分ほど並んで入店。人気メニューは海老天がドーンと乗った「ひや天おろし」らしいのだが、お腹が満たされてきた筆者は「生じょうゆ(432円)」をお願いした。

ダシを使わず「おか泉」専用のオリジナルブレンド醤油で、麺をシンプルにいただく……おおおお~ギュギュッと引き締まった麺は歯応えも良く、爽やかな風味も最高だ。っていうか、1日に何回「最高」と言えばいいのだろうか

・琴平町「しょうゆ豆本舗 表参道店」

そろそろデザートが食べたい……と思って、7軒目にやって来たのは『しょうゆ豆本舗 表参道店』。うどんにしか見えない「かまたまソフト(350円)」は、バニラ味のソフトクリームに卵と生姜がブレンドされ、醤油やネギがトッピングされている。食べてみた感想は……

マズいぞ。特に最後の一口、コーンに沈んだ醤油とアイスの絶望的なコンビネーションがヤバすぎる。まあまあ美味しいという噂もあったが、個人的には完全にナシだ。ただ、見た目が面白かったので、味が改良されたらうどんよりも人気が出るはず……期待しているぞ。

・高松市「地上最強のウドン ゴッドハンド」

気を取り直して8軒目、高松市に戻ってから足を運んだのは、15時まで営業している『地上最強のウドン ゴッドハンド』である。1軒目に訪れた「バカ一代」の姉妹店なのだが、人気の「釜バターうどん」は扱っていないようだ。並ぶことなく入店し「キムチうどんの小(370円)」を注文した。

もちろん「ただキムチが乗っているだけのうどん」ではなく、旨味がたっぷりのダシが最高にウマい。つるつるの麺は弾力があり、キムチのシャキッとした食感もイイじゃないか。さすがとしか言いようがないだろう。

・高松市「はなまるうどん 今里店」

というわけで大満足で終了……と思った時に発見したのが『はなまるうどん』である。正直お腹はもう限界って感じだが、はなまる基本の自信作「かけの小(130円)」は食べておく必要があるだろう。ササッとレジで会計を済ませてからテーブルでいざ実食……お、おう、いつもの味だ

いや、普通にウマいのだが、本場で活躍するメジャーリーガーたちと比べるとパンチ力の差が出るのは仕方がないだろう。それだけ朝から食べてきたうどんのレベルは高かった。

また「うどん玉がなくなり終了しました」という店も多かったので、また違ったルートで再チャレンジをしようと決意した次第である。本気で巡るなら1日じゃ足りないが、わずかな時間でも絶品うどんを楽しむことはできるので、興味がある方はぜひ香川県を巡ってみてくれよな!

Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

▼手打ち十段うどんバカ一代


▼本場讃岐うどん たも屋本店

▼冷やぶっかけ(310円)


▼松下製麵所

▼うどん1玉(200円)


▼山越うどん


▼日の出製麺所


▼おか泉


▼しょうゆ豆本舗 表参道店

▼かまたまソフト(350円)

▼地上最強のウドン ゴッドハンド
▼キムチうどんの小(370円)


▼はなまるうどん 今里店

▼かけの小(130円)

▼「うどん玉がなくなり終了」という店も少なくなかった