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飲食店を選ぶお客さんの舌は正直だ。おいしければ行くし、マズければ行かないといったようにシンプルながらもシビア。お客さんだってお金を払う以上は相応の味でないと納得しないため、1回の食事がお店の明暗を分けると言っても過言ではない。

だからこそ、期待に応えるのがお店の腕の見せどころでもあるのだが、一度お客さんが離れてしまうとなかなか戻らず。中には潰れてしまうお店だって珍しくない。しかし、そんな荒波な飲食業界の中で、福岡県南区大橋には倒産寸前から奇跡の復活を遂げたお店がある。

・かつての人気店

そのお店の名は「呼び戻しとんこつ 光四郎」。同店はかつて「ラーメン四郎」として人気を博し、2007年の九州ラーメン総選挙で1位を獲得すると、激戦区で確固たる地位を築いていた。ところが、味が落ちたと噂になると、客足は遠のいていき、倒産寸前にまでなってしまったそうだ。

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わずか数年での転落は、まるでドラマのような話だが、一度描いた下降線はかつての人気店でも止められず。ただ、テレビの企画で心機一転。2016年9月にリニューアルすると、復活を遂げて連日行列が絶えない状態になっているらしい。ということで、実際に行って確かめることにした。

・平日の午前から大盛況

私(筆者)が訪れたのは、平日の開店時間ちょうどの11時半。しかし、それにもかかわらずお客さんが殺到していた。これはリニューアルから数カ月経っていることを考えれば、テレビの影響ではなく、味がお客さんを呼んでいると言っていいだろう。

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膨らむ期待を抑えつつ、私はラーメン・ぎょうざ・ごはんの光四郎ラーメンセット(800円)を注文。メニューや店主のスープに対する心意気を読みながら待つことしばし。いよいよ、ラーメンと対面した。

・大砲直伝のスープ

まず大きく変化を加えられたのは、ラーメンの命とも言えるスープとのこと。久留米の重鎮「大砲ラーメン」直伝の呼び戻しスープは、とんこつの独特な臭みはほとんどなし。一口スープを飲んでみると……おぉっ、これはまさしく呼び戻し!

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とんこつラーメンといえば、コテコテというイメージが強いかもしれないが、同店のスープは濃厚な旨味が口の中に広がりながらも、アッサリさも兼ね備えている。とろみがあって、口の中にススッと入り込んでくると言おうか。すべて飲み干してしまうタイプのおいしさだ。

また、麺とのバランスもベストで、いい具合にスープと絡み合って箸が止まらない。こりゃウマいな……そう思わずにはいられず、倒産寸前から息を吹き返したのもわかる味をかみしめることができた。

・喰わずに死ねない

正直、また食べたいと思ったラーメンは久しぶり。店内に掲げられていた「喰わずに死ねない」という暖簾に納得してお店を出たのだった。ちなみに、最寄りの大橋駅は8月から特急が停まるようになる予定。市内からのアクセスもグッとよくなるので、復活の味をぜひ味わってみてはいかがだろうか。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 呼び戻しとんこつ 光四郎
住所 福岡県福岡市南区大橋2−11−14
時間 11:30〜15:00 / 17:30〜21:00
休日 木曜

Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.

▼お店の外観
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▼光四郎ラーメンセット
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