bohemian
毎年、その年を代表するような大ヒット曲が生まれるが、何十年も語り継がれるほどインパクトがある曲は、そう簡単に誕生するものではない。

そんな曲の一つ、英ロックバンドのクイーンによる『ボヘミアン・ラプソディ』は、ロック・オペラとも呼びたい大傑作だ。曲の長さが約6分という大作をドラマ仕立てにした動画が登場し、とにかく斬新かつ必見なので紹介したいと思う。フィルム・ノワール風な仕上がりが、超カッチョいいぞ~!!

・ドラマ仕立ての『ボヘミアン・ラプソディ』が斬新!!

『ボヘミアン・ラプソディ』の歌詞は、人を殺してしまった男が母親に罪を告白し、その罪から解放されることを願う内容になっている。

話題の動画「Literal Bohemian Rhapsody」は、ミュージカルではなく、普通のドラマ仕立てになっているところがポイントだ。まず、上空から撮影された舞台となる街が映し出され、歌詞の冒頭部分がモノローグで語られる。

そのモノローグの途中で、主役の男が銃で人を射殺するシーンが登場し、男が自分の母親のアパートに駆け込む流れとなる。

・歌詞がドンピシャで違和感ゼロ!

そして、「たった今、人を殺してきた」と歌詞通りに罪を告白して、ショックを受ける母親と泣きながら抱き合うシーンへと続く。こうして、息子を引き留める母を振り切り、「いっそのこと、生まれてこなければ良かった」との言葉を残した男は、警察が包囲する外へと飛び出していくのだ。

こうして見ると、しっくりと普通のドラマのようにハマり、無理に歌詞をこじ付けたような違和感は全く感じない。

・緊迫感漂う曲のハイライト部分が、フィルムノワールのよう!

『ボヘミアン・ラプソディ』の中盤は急に曲のパターンが変わり、「ガリレオ ガリレオ」と少し意味不明の歌詞が出てくるのだが、筆者は、この部分がどうなるのか気になりながら見ていた。

すると、男と対立する警官4人が交互に「ガリレオ」と言葉を発し、アパートの窓から叫ぶ母親が再登場。「僕を逃がして」「逃がしはしない」「彼を逃がしてやれ」との歌詞が、シーンにドンピシャなのだ!! そして、たたみかけるように曲の終盤になだれ込むギターリフ部分で、警察と男の銃撃戦がスタートするのである。

その展開たるや、まるでフィルムノワールのようで緊迫感満載! 動画のラストは、警官に撃たれた男が地面に倒れ、歌詞の最後の言葉「どっちみち 風は吹くのさ」と呟き、息絶える形で幕を閉じるのである。

ちなみに、『ボヘミアン・ラプソディ』は、バイセクシャルだったヴォーカルのフレディ・マーキュリーが、カミングアウトした曲だと言われている。「たった今、人を殺してきた」という歌詞は、“ストレート(異性愛者)の自分を殺してしまった” と解釈されているのだ。そんなことを考えながらこの曲を聴いたら、今までとは違った印象を抱くのではないだろうか。

参照元:YouTube
執筆:Nekolas

▼『ボヘミアン・ラプソディ』の歌詞を ‟ドラマ仕立て” にした動画はこちら

▼クイーンの『ボヘミアン・ラプソディ』