2016年は、リオデジャネイロでオリンピック&パラリンピックが開催され、イギリスが欧州連合(EU)を離脱した ‟ブレグジット” に、ドナルド・トランプ氏の米国大統領当選など、激動の1年だったと言える。
そんな、2016年を現す言葉を、英オックスフォード辞典が発表したのだが、一体どんな言葉が選ばれたのだろうか!?
・2016年を表す言葉は ‟ポスト真実” !
英オックスフォード辞典が、激動だった2016年を現す言葉として選んだのは、「Post-truth:ポスト真実」だ。
2016年に、‟ポスト真実” という言葉の使用は、2015年に比べて2000パーセントも増加し、主にブレグジットと米国大統領選を物語る時に使われたという。では、‟ポスト真実” とは、どういう意味なのだろうか!?
・初めて ‟ポスト真実” が使われたのは1992年
この言葉は、客観的な事実や真実よりも、感情的な訴えや個人の信念の方が、世論を形作るうえで大きな影響を成す状況を現す形容詞である。
‟ポスト真実” は、1992年にセルビア系アメリカ人の劇作家スティーヴ・テシックによって、初めて使われた言葉だ。彼は、1986年に起きたイラン・コントラ事件と湾岸戦争について記事を書いた時に、「我々は、‟ポスト真実” の世界に住んでいる」と表現していたという。
ちなみにイラン・コントラ事件とは、米レーガン政権が、イランへ渡るはずの武器売却代金を、南米ニカラグアの反共ゲリラであるコントラの援助に流用していた事件だ。
・SNSの台頭で個人の意見や信念を広めやすい時代に
‟ポスト真実” との言葉が誕生してから24年が経つが、現代ではネットとSNSの発達で、個人の意見や訴えを、世界レベルで発信しやすい時代となったと言える。トランプ氏も、大統領選でTwitterを積極的に使用して過激な発言を繰り返し、支持者達に自分の政策や信念を訴えかけていた。
そんな、客観的な事実や真実よりも、感情的な訴えや個人の信念の方が人に影響を与えやすい時代を表現するワードとして、まさに、‟ポスト真実” は的を得た言葉だと言えるかもしれない。
‟ポスト真実” の他には、ブレグジットを支持する人を意味する「Brexiteer:ブレグジター」や、責任感ある成人が、コツコツと日常のタスクをこなす行為を意味する「adulting:アダルティング」といった言葉も、候補に挙がっていたそうだ。
参照元:YouTube、indy100、The guardian(英語)
執筆:Nekolas