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プロレスラー・長州力の名言の中に「何がしたいんだコラ!」というものがある。これはかの有名な “タココラ問答” の中で生まれたものだが、つい先日、記者も「何がしたいんだコラ!」とツッコまざるを得ない商品を発見してしまった。それが『減塩しお』である。

減塩レシピはわかる。塩分控えめのレシピなのだろう。減塩しょう油もまだわかる。塩分の少ないしょう油なのだろう。だが『減塩しお』はサッパリわからん! 甘い唐辛子・踊らない踊り子・おにぎらず……みたいなものではないか。おいおい減塩しおよ……何がしたいんだコラ!

・意味がわからない

この『減塩しお』は、なるとの塩で有名な「東京ソルト株式会社」が手掛ける商品である。パッと見では気付かないかもしれないが、スーパーの棚に陳列されていた減塩しおの違和感はハンパない。「焼き塩」「ヒマラヤの塩」「レモン塩」などがある中、一人だけ意味がわからないのだ。

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そもそも減塩タイプということは、味が薄い塩ということなのか? であれば、通常大さじ1杯のところ2杯入れなくてはならないのか? ……ってそれ意味なくね? いくら考えても答えが見つからなそうなので、東京ソルト株式会社に電話で問い合わせてみることにした。

記者:「もしもし、すみません。御社の『減塩しお』について伺いたいんですが、そもそも塩なのに減塩ってどういうことなのでしょうか?」

「はい、一般的な塩はほぼ100%が塩化ナトリウムで出来ています。減塩しおは、塩化ナトリウム50%、もう50%を塩化カリウムで構成した商品です」

記者:「うーん、なるほど……。塩化ナトリウムが半分ってのはわかったんですが、塩化カリウムは食塩ではないんですか?」

「はい、一般的に食塩は塩化ナトリウムを指しますので、塩化カリウムは食塩とされていません」

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記者:「うーん、わかったようなわからないような……。ちなみに塩化ナトリウムは海水から出来てますよね? 塩化カリウムは何から出来てるんでしょうか?」

「カリウム自体は野菜や果物に多く含まれる成分で、塩化カリウムは海水からできています」

記者:「果物や果実に……ふむふむ。では味ですが、大さじ1のところ2入れなくてはいけないんでしょうか?」

「いいえ、感じる塩味は通常の食塩と同じです。いつも通りお使いいただければ結構です」

記者:「なるほど……なんとなくわかりました」

トータルすると、減塩しおとは「塩化ナトリウムが半分にカットされた塩のことで、残り半分は塩化カリウムで補われている。また味は通常の食塩と変わらない」ということになる。確かに普通の塩と味を比べてみたが、塩気は通常の食塩と全く変わらなかった。

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・味は食塩と変わらない

調べてみると、味の素からは「やさしお」などの類似商品が展開されているから、減塩タイプの食塩はそれなりに食卓に広がっているのだろう。ただし、塩化カリウムの摂りすぎも体に良くないという話もあるから、気になる人はご自身のライフスタイルに合わせ、活用してみてはいかがだろうか?

参考リンク:東京ソルト株式会社
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼味はほぼ一緒だった。塩である。
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▼塩化ナトリウム100%ではなく、半分が塩化カリウムで出来ているのだ。
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▼違和感がヤバい。

▼「何がしたいんだコラ!」が生まれた “タココラ問答” だ。