目の前に「死にたい」という人がいたら、あなたはどうするだろうか? きっと、なんとか「生きるように」説得を試みるのではないだろうか? しかし、どんな言葉をかければいいのだろう。正直言って、私(筆者)には、とんと想像がつかない。

ヘタなことを言えば、刺激してしまうのではないか……という恐怖もある。けれども今回ある警察官が、とてもシンプルに、かつ最善な方法で自殺志願の高校生を死から救ったのだとか。一体、どうやったのだろう?

・高校生が学校を抜け出す。自殺の恐れも

2016年5月、米ノースカロライナ州シャーロットの警察官ティム・パーディさんが通報を受けて、高校に向かった。なんでも、自殺の恐れのある男子生徒が学校を抜け出したというのだ。

自閉症のこの生徒は、神経発達障害が原因の暴力行為なども見せたことがあったようだ。だが現場に到着したバーディさんは、青年を羽交い締めにしようとしたりはしなかった。

・高校生とおしゃべりを始めた警察官

かわりに行ったのは、おしゃべり。男子生徒の隣に腰を下ろして、ゆっくりと話を始めたのだ。2人が何を話したかは明らかにされていないが、会話の中で生徒が笑い声を上げる瞬間もあったと報じられている。そして会話を通じて、青年の死への衝動は収まっていたそうだ。

・ネット上では、警察官に拍手が寄せられた

この話と写真がシャーロット・メクレンバーグ郡警察署の Facebook で公開されたところ、大きな話題に。「あなたみたいな、良い警察官だっているんだよね」「青年は何も悪いことをしていないんだから、これこそが正しい対処法だ」などの声が集まり、多くのメディアでも取り上げられているのだった。

ちなみに警察署は Facebook の投稿を以下のような言葉で締めくくっている。「警察官の仕事は、逮捕や法の施行だけではありません。今回のような小さな行いで、誰かの人生を大きく変えることだってあるのです」。

参照元:FOX NEWS (英語)、Facebook
執筆:小千谷サチ