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「おもてなしの国」であるハズの日本だが、電車内を見る限り、譲り合いがほとんど見られない……。つい先日の記事でそう書いた。多くの意見をいただいたが、優先席ですら必要としている人に譲られていないことに対しては、「その通り」との声が圧倒的に多かったように思う。

それではお隣、韓国ではどうなのだろう? 記者は約20年前に2年ほど韓国に留学していたが、100%の確率で優先席はお年寄りに譲られていた。……が、その韓国の優先席について、とてもイヤな思い出がある。今回はその話をしたい。

・約20年前の話

まず断っておくと、冒頭でも述べたようにこれは約20年前の話である。だいぶ時間も経っているので、現在はいささか事情が違うかもしれない。その辺りを踏まえてご覧いただければ幸いだ。

当時、記者は19歳。日本と韓国の文化の違いや、違わない点などを肌身で感じながら、友人たちと自由気ままな時間を過ごしていた。金は親からもらい、時間もたっぷりある日々……。あれは間違いなく青春だっただろう。

・お年寄りには絶対に席を譲る韓国

それはさておき、記者が住んでいたのは首都ソウル市である。交通手段は大ざっぱに、原付き・タクシー・バス・地下鉄の4種類で、目的地やシチュエーションに合わせて何を利用するか選択していた。

今回の主題である「優先席」が存在するのは、バスと地下鉄の2種類。結論から言うと、当時の韓国では100%どころか120%とも言っていい確率で、優先席はもちろん普通席でも、お年寄りがいれば確実に席が譲られていた。

・記者が席を譲ったところ……

残念ながら妊婦に席が譲られていたかの記憶はないが、さすが「年上は絶対」の儒教が息づいている韓国である。全ての若者たちが、自然にお年寄りに席を譲る様子は微笑ましいものがあった。──と、ここまではイイ。美談である。記者が経験したイヤな思い出はここからが本番だ。

ある日、バスの中で座っていたときのこと。そこに1人のおばあさんが乗り込んで来た。一番近くにいた記者は、いち早くそれに気付き、ニコやかに「どうぞ」と席を空けた。すると……そのおばあさんは「ありがとう」も「どうも」の一言もなく、当然だと言わんばかりに席に座りこんだではないか。

「え?」と思ったが、もしかしたらこのおばあさんだけが変わっているだけなのかもしれない。そう思いつつ、次の機会でも全く同じ反応だったので、それ以来記者は、どんなに疲れていようとも、バスや電車内では絶対に席に座らなくなった。

・儒教の弊害

もしかしたら、2回連続で変わったおばあさんに当たっただけなのかもしれない。それでも「年上は絶対」の儒教の歪(ひずみ)が、こういう形で出てしまっていることは十分に考えられることであった。

誤解して欲しくないのは、決して「ありがとう」と言われたいから席を譲ったわけではないということ。ただ、歳が違えど人間同士、何かしらのアクションが発生したら、最低限の挨拶や意思表示があっていいと思うのだ。記者は怒ったというより、虚しくなってしまった

そもそも席が譲られない日本の現状も大いに問題があると思うが、100%の確率で席が譲られる韓国にも、記者の感覚でいえば問題はある。どちらが良い悪いの話しではなく、人として清々しい選択や振る舞いを、日々心がけたいものだ。

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼嫌なところもある韓国だが、メシは最高にウマい。