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イタリアのシチリア島で誕生した秘密結社「マフィア」。1282年3月30日にマフィアの名前の由来となった “シチリアの晩鐘事件” が起こっことから、本日は「マフィアの日」だとされている。

ということで今回は『悪名高い伝説のマフィア 5選』をご紹介したい。海外メディア Time の発表を元に選出してみたが、あなたの知っているあのマフィアは入っているだろうか?

その1:セミオン・モギレヴィッチ

「FBI10大最重要指名手配」の1人に選定され、「世界で最も危険なギャング」と呼ばれたロシアン・マフィア。経済学の学位を持ち、その商才から “最も聡明なボス” とも称された。広い地域を取り仕切っては様々な詐欺を行い、東欧のガス取引詐欺で投資家らから150万ドルもだまし取ったことは有名。当時のレートにして約1億4000万円である。

他にも殺人から武器取引、麻薬密売などにも関わっていたと記録されている。2008年にはモスクワにて脱税の罪で逮捕されるも、その “悪知恵” のおかげで、翌年には釈放されたとのこと。

その2:アル・カポネ

マフィア史上、最も有名な人物。米シカゴを本拠地とする組織「シカゴ・アウトフィット」のボスを務め、ギャンブルから売春、密売、麻薬の不法取引、強盗、賄賂、殺人などあらゆる犯罪に手を染めたとされている。

中でも有名なのが、1929年に起こった対立ギャングの虐殺。カポネの指示で行われたと考えられているこの事件は、7名の被害者を出し、犯人たちが警察官に扮(ふん)していたことで大きな話題となった。事件当時マイアミにいたカポネは、証拠不十分で逮捕されなかったという。この事件が起こったのが2月14日だったことから、“バレンタインデーの虐殺” などと呼ばれる。

このように多くの不法行為を行ってきた彼だが、警察に捕まったのは脱税の罪だけ。“最も有名なマフィア” にも関わらず、カポネが刑務所に入っていたのは7年6カ月15日だけだったと言われている。映画『スカーフェイス』など彼をモデルにした映画やドラマも作られており、マフィアを語る上で欠かせない人物のようだ。

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その3:トニー・アッカルド
アル・カポネがいなくなった後、 「シカゴ・アウトフィット」のボスに収まったトニー・アッカルド。先述の “バレンタインデーの虐殺” にヒットマンとして参加したとされる彼は、1931年にはシカゴの「社会の敵リスト」に名前が載ったという。

とても頭の良い人物で、アウトフィット内で長いこと大きな影響力を保持していたこと、また様々な不法行為を行ったにも関わらず、1度も刑務所に入ったことがないと伝えられている。アッカルドがこの世を去ったとき、シカゴ犯罪委員長は「1つの時代が終わった」と話したということだ。

ちなみに釣りが好きだった彼は180キロの大きなマグロを釣ったことから “ビッグ・ツナ” の呼び名を持つ。また凶暴な性格で人々を野球バットでめった打ちにしていたことで “ジョー・バッターズ” とも呼ばれていた。

その4:ジョン・ゴッティ

最後の “ハリウッド映画に登場するようなマフィア” と呼ばれているのが、このジョン・ゴッティだ。ガンビーノファミリーのボスで、高級スーツを身に着け、派手な生活を送る様子などから “ダッパー・ドン(粋なボス)” とのあだ名が付いていた。

またどんな犯罪を犯しても決して捕まらないことから “テフトン・ドン(傷のつかないボス)” との異名も持っていたそうだ。けれども FBI によってゆすり行為や殺人などの罪で捕まり、1992年には仮釈放のない終身刑が言い渡される。その後、刑務所内でガンのために死去していると言われている。

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その5:チャールズ・ラッキー・ルチアーノ

古いしきたりを一掃し、現代のマフィアモデルを築き上げた人物。ニューヨークを取り仕切っていた2大ボスを殺害し、新たなビジネス組織としてマフィアを生まれ変わらせた。五大ファミリーの再編や、全国犯罪シンジケートの構築なども手がけ、他のファミリーへの影響力も大変高かったとされている。

組織の最高幹部にまで上り詰め、歌手のフランク・シナトラなどとも親交があったそう。しかし宿敵である検事トーマス・デューイに強制起訴され、1946年にはイタリアに強制送還されてしまう。その後イタリアでマフィア活動を続けるも、アメリカに戻って来ることはなかったという話だ。

──以上である!!

上記5人以外にも、有名なマフィアは大勢存在する。サルヴァトーレ・リイナやジョゼフ・ヴァラキ、ルイス・バカルターなど、どれも語るべきエピソードの多い人物ばかりだ。しかしマフィアの在り方は、時代と共に大きく変化していると言われている。さて、現代のマフィアには一体どんな人々がいるのだろうか……?

参照元:Time、History[1][2](英語)、今日は何の日~毎日が記念日~コトバンク
執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24.