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2016年2月18日に日本でも発売された『ストリートファイターV』。お馴染みのリュウやケンだけでなく、復活した神月かりんやレインボー・ミカ、新キャラのラシードやララ、ファンなど、多くの人がそれぞれのお気に入りのキャラクターを操ってファイトを楽しんでいることだろう。

さてこの度、『ストリートファイターシリーズ』発売元のカプコンが、1人のプロゲーマーの動画を公開し、話題を集めている。それは手が不自由なため、顔を使ってプレイする男性、ブロリーレッグス(BrolyLegs)さん! あの梅原大吾さんやボンちゃんさんとも拳を交わしたことのある彼が、動画の中で様々な思いを語ったのだ!!

・プロのゲーマー、ブロリーレッグスさん

プロのゲーマーとして活躍するブロリーレッグスさん(本名マイク・ベーグムさん)。大人気ゲーム『ストリートファイターシリーズ』の強力な春麗使いとしても有名だが、顔を使ってプレイすることでも知られている。

先天性関節拘縮(こうしゅく)症のブロリーレッグスさんは、手足を動かすことが出来ない。しかし首と顔を使って人と話したり、文字を打ったり、ゲームをすることは可能。彼は頬、口、舌を駆使してコントローラーを操り、ゲームをプレイするのである。

・アーケードなどでナメタ態度をとられることも

彼がゲームと出会ったのは2才の頃。「息子が楽しめるものを」と考えた両親が、誕生日プレゼントに海外版ファミコン “NES” を買ってきてくれたという。その後、地域のクラブで『ストリートファイターシリーズ』に触れることに。

しかしブロリーレッグスさんは、多くの人から「お前が上手くプレイ出来っこない」と言われたり、対戦相手から「こいつは楽勝じゃないか」というナメタ態度を取られたのだとか。腹を立てた彼は、強くなることを決心。『ストリートファイター』の世界で、メキメキと力を付けていったそうだ。

勝負の世界では、強さが全て。人々から同情されたりするのではなく、「奴は強いぞ」と見られたかったという。

・「ストリートファイターがいつも僕を救ってくれた」

「相手のプレイヤーの次の行動を読むことに、いつも全力を注いでいる」と話すブロリーレッグスさんだが、空虚な気持ちになったり、何もかも投げ出したくなるときもあるそう。でも彼は、いつも『ストリートファイター』が救ってくれると話す。

「プレイするときは、キャラクターに自分を投影出来るから好きなんだ。僕の人生を切り開いてくれたのは、いつだって『ストリートファイター』だった。色々な場所に行き、たくさんの素晴らしい人とも出会える」

またブロリーレッグスさんは、「他のプレイヤーに “僕が出来るんだから、君にも出来るよ” と伝えたいんです。みんなを助けて、他者の光になりたいんです」とも語っているのだった。

・もちろん『ストリートファイターV』もプレイ

もちろんブロリーレッグスさんは、『ストリートファイターV』もすでにプレイしており、2月20日には地元のゲーム大会で優勝したという。ツイッターでは、まだまだ練習が必要だが、素晴らしい展望も得ることが出来たとも述べられている。今年の世界最大の格闘ゲーム大会『エボリューション・チャンピオンシップ・シリーズ(EVO)』 でも彼の姿が見られるはず。今から楽しみだ。

参照元:Mega Tech News(英語)YouTube、Twitter @Brolylegs
執筆:小千谷サチ

▼カプコンが公開したブロリーレッグスさんのインタビュー動画

▼こちらが2015年に梅原大吾さんと戦うブロリーレッグスさん。EVO でのことだ。

▼ボンちゃんさんと戦うブロリーレッグスさん。2014年の EVO。

▼エアさんと戦うブロリーレッグスさん。2015年の Ultra Fight Night。

▼地元の『ストリートファイターV』のトーナメントで優勝したとのツイート