2016年も始まって4日が経過した。毎年新年が明けると、異世界に迷い込んだかのように街から人影が消える。そして、三が日を越えたこの時期から、普段の喧騒を取り戻し始める。もはやこれは東京の風物詩と言ってもいいだろう。
ウマいそば屋を求めて色んな街を放浪する「立ちそば放浪記」。新年一発目は、そんな風物詩が存在しなかっただろう220年前からこの街を見守る超老舗そば屋。その名も『永坂更科布屋太兵衛』だ。伝統の味が700円で味わえるという話を聞いて、新宿メトロ食堂街へ新年早々ひとっ走りしてきたぞ!
・地下街に並ぶ2つのそば屋
新宿メトロ食堂街は小田急の地下に広がっている。とりあえず地下に入るため、適当な階段を降りたら目の前が永坂更科だった。食堂街には2つの永坂更科が横並びに並んでいる。1つは座り席でメニューも上品な伝統を感じさせる店構えで、もう1つは700円均一・カウンターのみの立ち食いスタイルだ。
・ショーケースには天ぷらどどーん!
私(中澤)は立ち食いスタイルを選択。カウンターのショーケースから見える手の平サイズの天ぷらが圧巻である。ちなみにこの2店舗はメニューや値段は違うが、厨房が同じで提供しているそばも同じとのこと。
「豚天そば」を注文すると、先ほど目を引かれたショーケースの天ぷらがどどーん! これが食いたかったんや!! 年明けそばいただきます。
・豚天だけで3杯いける
まずは豚天から食べてみると、カリッとした衣とサイコロ上に切り分けられた豚肉の柔らかさが独特のハーモニーを奏でる。濃いめで甘味を抑えたつゆと絡ませるとさらにウマい。ナイスボリューム! 豚天だけで3杯いける!!
・心憎い気づかい
ネギが自由にトッピングできるところもGood。しかも、つゆが多めなのでトッピングがつゆを吸っても全然つゆが減らない。目頭が熱くなるような心憎い気づかいだ。……気付けばそばは無くなっていた。舌をリセットして豚天そばをもう1回食べたい……。
これが関東そばの老舗の味か! 私が言うのも何だが、この店を子供たちの代に残したいと思った。300年いけるで!! 天ぷらそば好きは是非一度ここの豚天を食べてみてほしい。最後に、今年もそばのように細く長く「立ちそば放浪記」を続けていくのでよろしくお願いします。
・今回紹介した店舗の情報
店名 永坂更科布屋太兵衛
住所 東京都新宿区西新宿1-1-2 地下鉄ビルB1
営業時間 10:30~22:30(LO22:00)
定休日 無休
Report:立ちそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼立ち食いスタイルの『永坂更科布屋太兵衛』
▼高級な永坂更科
▼豚天スゲー!
▼半端ねぇ!!
▼そばウメェェェエエエ
▼つゆもヒタヒタだし
▼ネギトッピングし放題……目頭が熱くなるような心憎い気づかいだ