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JT(日本たばこ産業)が平成26年(2014年)に行った調査によると、日本における成人男性の平均喫煙率は30.3%であるそうだ。特に30代〜50代の男性の喫煙率は、軒並み36%を上回っている。成人女性の平均喫煙率は9.8%で、近年ほぼ横ばいの数値だ。

最近は日本のいたるところで禁煙スペースが増え、「喫煙者は肩身が狭い」という声はよく耳にするが、喫煙者が多い職場に身を置いた場合、非喫煙者であることがハンデを生むと感じるのは気のせいだろうか?

・離席のチャンス面で圧倒的に不利な非喫煙者

喫煙者は非喫煙者に比べ、席を立つ機会に確実に恵まれている。たばこ片手に席を立つことはもはや世に浸透しきっている上に、他にもトイレ、お菓子の調達など、席を立つ理由のバリエーションが豊富。なにより、喫煙のために離席をしても不真面目な印象はさほど受けない。

対して非喫煙者が席を立つ理由は主に二つ。先述の通り、喫煙以外の『トイレ』と『お菓子』のみだ。百歩譲って『歯磨き』も加えたいが、1日に使える回数は非常に限られており、『喫煙』の穴埋めをするには荷が重い。

トイレばかり行くのも、お菓子ばかり買いに行くのも、まして歯磨きばかりするのも、不真面目な印象を与えてしまいがち。ゆえに「席を立つ」という口実の面で圧倒的に不利だと言えるのだ!

・喫煙所トークの充実っぷり

さらに羨ましい……いや、ハンデに感じるのは、喫煙所トークの充実っぷりである。喫煙所では、談笑しているかと思いきや、シリアスな面持ちでたばこ片手に熱い議論が交わされていることもしばしば。

悩みの相談、仕事にまつわるあらゆる話。そんなやりとりを たばこ混じりに終えた喫煙者たちは、実に晴れ晴れとした面持ちで席に戻る。あとで聞くと、喫煙所では超有意義な会話が繰り広げられており、それが仕事に活きたりもしている……! なんだか完全に出遅れた気分だ。私は何か大事なチャンスを失ったのでは……? そんな焦りすら覚えるのだ。

では、喫煙所トークについて、タバコを吸う人・吸わない人、それぞれどう感じているのだろうか? 私の周囲でそれぞれの声を集めてみた。

・【質問】:「喫煙所トーク、どう思う?」

吸わない人の回答
「羨ましい。」
「自分も会話に混ざりたい。息抜きしたい。」
「コミュニケーション面で明らかに出遅れてる気がする。」
「いっそタバコ吸おうかなとすら思う。」
「仮に混ざっても、変に煙の気を遣わせないか心配。」
「席を立ってもそれほど不真面目に見えないのが羨ましい。」

吸う人の回答
「実際にコミュニケーション面でかなり意義がある。」
「無口な人が喫煙所ではよくしゃべったりもする。」
「喫煙時くらいしか会話する機会がないので貴重。」
「仕事の案も浮かんだりする。」
「禁煙した友人が、コミュニケーションの機会が減ったと嘆いていた。」
「それを聞くと自分も禁煙をためらって今に至る。」

──といった具合だ。喫煙所トークって、やっぱり超重要っぽい……!!

・輪に入ってみた

だが、こうボヤいてばかりいるのも陰気だし健康的でないので、意を決して喫煙所に飛び入り参加してみた! すると……楽しい!! 初めこそ「オヤ?」といった表情で迎えられたが、「タバコは吸わないのだが、コミュニケーションに加わりたい」という旨を正直に述べると、快く迎え入れてくれたっ……!

同じく非喫煙者であるメグ記者も、「最初は、喫煙者サイドに『タバコも吸わないのに何しに来てるの?』って思われてるかなーと思ったが、今はもう気にならない。もともとそこまで煙を気にしないので、行って良かった。」とのこと。

・羨むくらいならいっそ混ざってしまえばいい

やはり仕事の合間でふらりと席を立つのは適度な息抜きになる。そこにコミュニケーションも加われば、心の緊張もほぐれ、最高の気分転換だと感じた。なかなか勇気のいることだが、煙さえ気にならなければ、非喫煙者もたまには喫煙所での会話に混ざってみてもいいかもしれない。

とはいえ、タバコ以外の手軽なコミュニケーションツールもほしいものだ。

参考リンク:公益財団法人 健康・体力づくり事業財団『成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査)』
執筆:DEBUNEKO
Photo:RocketNews24.